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胆道閉鎖症の早期発見訴え 生後2カ月以内の治療が重要

(2009年12月9日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

患者の母親ら活動「便色チェックのシート普及を」

画像胆道閉鎖症の早期発見を訴える加藤貴子さん=中日新聞社で

 生後2カ月以内の早期発見と治療が重要といわれる小児の難病「胆道閉鎖症」。認知度が低く、赤ちゃんの便や皮膚の色で判断する限界から発見が遅れがちな現状を変えようと、中部、関東の患者の母親など27人でつくる「肝ったママ’s」が活動を始めた。便の色を調べるカラーシートの普及を求め、医療関係者にも協力を呼び掛けている。(福沢英里)

 名古屋市中区の主婦(27)の長男(1つ)が、肝臓と腸管をつなぐ手術を受けたのは生後七十三日。生後五週で便の異変を確認しながら、育児本の写真で見た胆道閉鎖症の時の便と、長男の便の色が異なり、発見が遅れた。長男は手術後も状態がなかなか安定しない。「育児本の便の写真が違っていたら早く気付いてあげられた」と悔やむ。

 愛知県豊山町の加藤貴子さん(34)の長女は生後二カ月の時、胆道閉鎖症の合併症で、脳出血を起こして亡くなった。便の色の薄さに気付いていたのに、「元気でおっぱいを飲み、体重も増えている」と気に留めず、手遅れになった。

 その後、加藤さんは、胆道閉鎖症をいち早く見つけるため、白、黄、緑など七色の便の色見本が印刷された「便色カラーシート」を配布している自治体があると知り「早期発見の手だてがあるのに、地域差で命が左右されるのはおかしい」との思いを募らせた。

 胆汁の成分「ビリルビン」が腸管に排出され、色がつく健康な赤ちゃんの便は黄色味を帯びている。ビリルビンが排出されない胆道閉鎖症の場合は、便が次第に薄くなり、続いて白っぽく変色する。白ではすでに症状が進んでいることもあり、クリーム色やレモン色といった色も注意が必要だ。

 カラーシートを導入している北海道、石川、岐阜など八道県では、母親に母子手帳と一緒に配り、注意を促している。一カ月健診の際に、自分の赤ちゃんの便に近い色にチェックを入れたカラーシートを産院に提出する仕組み。尿検査で発見する方法もあるものの、実施するのは個人の産院が多く、普及していない。

 加藤さんらは、受診の目安になる症状をまとめた啓発チラシも作成。「産院での退院指導や保健師の赤ちゃん訪問の時に活用してほしい。『便の色が薄いのは肝臓の病気を疑う』と知って」と話す。
会のホームページ =http://www3.to/children-liver

 胆道閉鎖症 肝臓と十二指腸をつなぐ管の「胆道(胆管)」が詰まって、肝臓で作られた胆汁を腸に排出できなくなる病気。国内では約1万人に1人の割合で発症。胆汁が肝臓に蓄積されると、皮膚や白目の色が黄色くなる黄疸(おうだん)が目立ち、肝機能が低下する。治療は手術か移植に限られる。

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