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岐阜の病院〈28〉 東海中央病院 各務原市

(2010年9月12日) 【中日新聞】【朝刊】【岐阜】 この記事を印刷する

チームで担う緩和ケア

画像患者に話しかけながら回診する緩和ケアチーム=各務原市蘇原東島町で

 毎週木曜日、渡辺正院長を中心とした緩和ケアチームが痛みに苦しむがん患者を回診する。「痛くないですか」。看護師らが患者に優しい口調で語りかけ、受け答えや表情から体調を読み取っていく。

 病室近くのサロンには、折り紙の飾りが掛けてあった。入院患者の誕生日に家族が誕生会を開いたという。渡辺院長は「患者がほっとできるように、一般病棟ではできないこともやれるようにしたい」と話す。

 緩和ケアは、がんの激しい痛みのほか、不安感などの精神的な苦しみ、仕事を続けるかどうかといった生活上の悩みなどに総合的に対処する医療。治療一辺倒ではなく、がん患者や家族の人生の質を向上させる目的の医療で、近年注目を集めている。

 東海中央病院では、緩和医療学会前理事の渡辺院長を中心に3年前から緩和ケアに取り組み始めた。医師や、がんの専門知識を持った看護師、臨床心理士ら幅広いスタッフら10人ほどでチームをつくり、入院と外来の緩和ケアに取り組んでいる。体のだるさや吐き気といった身体的な苦しみを薬などで取り除いたり、看護する家族を指導したりと、緩和ケアの範囲は幅広い。

 現在、チームで診ている患者は5〜10人ほど。病院の改築が進んでおり、来年10月には緩和ケア専門の病床を15床まで増やすことができる。

 渡辺院長は「がん患者は増える一方だが、在宅だけでは対処できず、介護施設も受け入れる態勢にない。病院への受け入れのニーズは高く、専門性で患者の人生の質の向上を応援したい」と話す。

 公立学校共済組合が運営する全国8病院の1つで、東海3県の公立学校の教職員の健康管理を担う。地元の各務原市内には市民病院がないため「市民病院的」な役割も果たし、2次医療機関として地域医療の中心的な役割を果たしている。

 緩和ケアのほかにも、特徴的な医療に取り組む。

 09年3月に開設した股(こ)関節骨切り・人工関節センターでは、股関節やひざ関節の変形に対し、骨を削ったり、人工関節に換えたりする治療に特化。専門医が常勤し、手術時間と入院日数が日本でも最短クラスといい、全国から患者が訪れる。

 また、各務原市と連携して4月に子育て・教育相談センターを開設。子どもが学校や家庭で問題を起こし、市教委に相談があった場合、医師が発達障害や学習障害があるかどうかを診断する。専門的な立場から、学校現場などに対処法を助言する。毎週、子育てや教育の相談を受け付けているほか、毎月1回、医師や教師らを講師に、子育てに関する講演会も行っている。 (石井宏樹)

頼れる病院目指す

 渡辺正院長の話 2040年には年間死亡者数が160万人に達すると言われる。地域の中で医療、介護、福祉、行政、ボランティアが一体とならないと市民の健康を守れなくなる。東海中央病院は市の中核病院であり、急性期医療を中心に地域との連携、コミュニティーづくりをしっかりと進めていく。安全性と専門性があり、頼りがいのある病院を目指したい。

 東海中央病院 ▽創設 1955年▽332床▽看護態勢 7対1▽医師47人、看護師259人▽内科、外科、小児科、心療内科など24科▽各務原市蘇原東島町4の6の2▽JR高山線蘇原駅から徒歩約15分▽電058(382)3101

画像東海中央病院

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