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大腸がんの早期発見に尽力 はやし消化器内科クリニック 林勝男さん

医人伝

(2011年2月8日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

「働き盛り」支えたい 消化器内科医 林勝男さん(47) 

画像「内視鏡医が頑張ることで、がんの死亡率は下げられる」と話す林勝男(はやし・かつお)さん=名古屋市中区のはやし消化器内科クリニックで

 「すぐ終わりますからね」と、胃カメラのファイバースコープを握った。モニターの映像は、鮮やかなピンクの食道から胃へと、どんどん進んでいく。

 「(胃がんの原因となる)ピロリ菌はいませんね。大丈夫ですよ」。口から入れる胃カメラは一般的に抵抗感が大きいが、所要時間はほんのわずか。すぐに終わった検査に、患者も拍子抜けした感じだ。

 林さんは、患者数が市内屈指の名古屋第2赤十字病院で、消化器内科部長を39歳から約5年務めたベテラン。開業した現在も、大腸内視鏡と胃カメラの検査を年間3千件行っている。

 愛知県田原市出身。小学生のころ、太ももの肉を秋田犬にかみ切られ、1カ月以上入院した。治療してくれた外科医を見て、医者になろうと思った。

 名古屋市立大を出て、順調に医者としての階段を上っていった林さん。「当時は日赤病院に骨を埋めるつもりだった」と振り返る。外来と入院患者の治療、管理職の事務…。仕事はやりがいがあり、夜勤明けで一睡もせず仕事を続けるのも当たり前だった。しかし仕事漬けの日々は、次第に体をむしばんだ。

 やがて、自身の大腸ポリープ切除手術で、血が止まらずに腹膜炎を併発。成人発症型ぜんそくなどにもかかり、やむなく退職した。友人が経営する病院に所属し、1年間、ゆっくり静養しながら体調を戻すと、再びチャレンジの気持ちがわいてきた。

 「私のように、病に倒れる働き盛りの人たちがいる。専門性を生かして、その人たちのための医療をしようと思った」

 大腸内視鏡検査は、大病院では1〜2カ月待ちも普通。大腸に穴が開くリスクもあり、個人診療所では実施しないところが多い。

 健康診断で要検査とされ、がんを心配して眠れない日々を過ごす人は多いため、検査待ちがほとんどなく、検査時間も短くて済む診療所として、2008年に開業した。場所は名古屋市の中心部。仕事の合間に立ち寄って、内視鏡検査を受ける患者も多いという。

 「内視鏡で見ると、大腸のがんはかなり分かりやすい」といい、年間約50人以上の大腸がん患者を見つけている。小さなポリープは検査時に取ってしまうが、連携病院に引き継ぐこともある。

 大腸がん患者は全国で急速に増えているが、早期治療で治ることも多いという。「内視鏡医が頑張ることで、がんによる死亡率は下げられる」と確信している。(市川真)
はやし消化器内科クリニック(名古屋市中区)

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