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岐阜の病院〈46〉 太田病院・太田メディカルクリニック 美濃加茂市

(2011年3月13日) 【中日新聞】【朝刊】【岐阜】 この記事を印刷する

家庭の味 患者別に対応

画像真空パック用のビニール袋に食材を詰め込む調理員ら=美濃加茂市太田町の太田病院で

 地下1階のセントラルキッチン。白衣姿の調理員らが慌ただしく、下処理した野菜や肉をビニール袋に詰め込んでいた。この日の献立はひき肉の角煮に、厚揚げとオクラの煮物。食材が入った袋に調味液を流し込み、真空パックした後で加熱調理。冷水で一気に冷やして菌の繁殖を防ぎ、味を染み込ませる。

 できた総菜はエレベーターで各階のパントリー(ミニキッチン)に運ばれ、再加熱して盛り付けられる。系列の老人施設や保育所も含め、1日670食が作られる。

 太田病院は新築開院した2004年から、病院食を院内で作る真空低温調理方式を採用。「入院中の楽しみは食事くらい。目の前のパントリーで調理することで、みそ汁やごはんがにおい、台所の音が聞こえ、家庭に近い環境をつくりたいと思った」と佐々木裕茂理事長は語る。

 この方式により、総菜の数日間の保存が可能となり、大量調理と違い、塩分やタンパクの量も患者別に対応しやすくなった。患者30人を対象とした昨年3月のアンケートで、味付けは「ちょうど良い」が100%。食事全体も「満足」と「普通」が半々で「不満」はゼロと好評を得た。

 「薄味でもしっかり味が染み込むので、比較的濃い味付けを好むこの地域の人でも、おいしいと言ってもらえる。パントリー調理で食堂の患者さんの反応も見られます」と管理栄養士の渡辺真実子さんは利点を話す。

 同病院は新築を機に救急外来と入院、健診を受け入れ、旧建物は太田メディカルクリニックとして、一般外来患者専門の病院にと機能を分離した。新築の病院棟では、入院患者の快適性にもこだわり、1床6.4平方メートルの基準に対し、同8平方メートル以上を確保した。

 背景には、運営法人が理念にうたう「地域貢献」がある。居宅介護支援事業所や訪問看護、介護老人保健施設、有料老人ホームを法人として抱え、09年6月には回復期リハビリテーション病棟を設置。急性期から慢性期、在宅介護まで、1人の患者を法人として長くケアできる医療介護体制を目指す。同年12月に始めた訪問リハビリもニーズは高いという。

 腎臓病の透析医療を行える拠点が地域内に少ないことから、4月からクリニック内に透析センターの開設も決めた。当面は6床で1日24人を受け入れ、需要をみて15床まで増設、地域の患者を一歩一歩、支えていく。 (安藤恭子)

職員の資質を向上

 佐々木裕茂理事長 地域貢献をどうしたら実現できるか、患者に喜ばれるかを考え、事業を拡大してきた。今年は医療の勉強会だけでなく、職員の資質向上にも一層力を入れ、管理者や接遇サービスなどの研修活動を増やしていく。

 特定医療法人緑三会 太田病院・太田メディカルクリニック ▽創設 1945年▽一般急性期、療養、回復期リハビリ病棟計89床▽看護態勢 一般急性期病棟で10対1▽常勤医7人、非常勤医約20人▽外科、内科、整形外科、循環器内科、消化器内科、脳神経外科、皮膚科など病院が13科、クリニックが17科▽太田町2855−1▽美濃太田駅から徒歩10分▽電0574(26)1251

画像特定医療法人緑三会 太田病院・太田メディカルクリニック

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