つなごう医療 中日メディカルサイト

岐阜の病院〈47〉 国保坂下病院 中津川市

(2011年3月20日) 【中日新聞】【朝刊】【岐阜】 この記事を印刷する

地域包括ケアの手本

画像「いきいき運動教室」でトレーニングに励む女性=中津川市坂下で

 東濃東部地域だけでなく、長野県南木曽町、大桑村など隣接する木曽南部地域の患者が外来、救急患者の30%を占めており、広範な地域医療を支える中核病院となっている。

 通常の診療だけでなく、全国の国民健康保険病院と同じく「地域包括ケア」に力を入れている。地域包括ケアとは、医療に加えて、健康増進、在宅ケア、リハビリテーションなどの病気予防、福祉事業を総合的に提供することを目指す。同病院では地域包括ケア充実のために地域医療科を設置し、行政、住民、介護施設との連携役を務めている。

 同科が積極的に実施しているのが「いきいき運動教室」「リハビリ教室」などの疾病予防、健康増進教室だ。いきいき運動教室は生活習慣改善を重点に置き、高血圧、糖尿病などの予防や、病後の社会復帰に向けた健康づくりや、再発防止を主眼としている。

 ストレッチ、有酸素運動、筋肉トレーニングなどを個々人の健康状態に応じて、保健師がプログラムを作成。37〜82歳の40人の男女が1回、1時間半のトレーニングに励んでいる。

 「はい、無理せずに自分のペースで運動してください」−。同病院近くの坂下総合事務所第2庁舎では40〜80代の女性5人がストレッチ、有酸素運動などのトレーニングをこなしていた。

 アップテンポな洋楽のBGMが流れる中、時折、笑い声が飛び交い、和やかな雰囲気が室内に広がっていた。運動指導員の杉山綾奈さん(21)は「皆さん同世代の人に比べてとても動きが良い。本当に元気で逆に元気をもらっている」と話す。

 肺の病気で1カ月半、入院し治癒後から週1回、参加している田中允江さん(78)は「病気は再発しないし、ほかの病気にもなったことがない」と、顔色の良い笑顔を見せる。

 この試みが始まった二003年から参加している坂本静枝さん(75)は「健康診断で生活習慣病予備軍と言われて始めた。3年間で体重が15キロ減り、病気にもならない」と話す。

 プログラムを作成し、健康相談に応じる保健師の吉村隆さん(37)は「病気の再発防止や健康増進に役立っていると現場でひしひしと感じる」という。また、「一人暮らしのお年寄りなど高齢者の安否確認にもつながっている」と地域包括ケアの意義を強調した。 (本田英寛)

医療過疎作らない

 高山哲夫院長 高齢者が多く、民間開業医がいない地域であり、「かかりつけ医」として、医療過疎を作らないという信念で活動している。医療だけでなく、保健、福祉活動も担う地域包括ケアのモデル病院としての役割を果たしたい。

 国民健康保険 坂下病院 ▽創設1948年▽一般病床149床、療養病床50床▽看護態勢 10対1▽常勤医15人、非常勤医31人▽内科、小児科、外科、整形外科、泌尿器科、婦人科、脳神経外科など10科▽中津川市坂下722−1▽JR坂下駅から徒歩10分▽電0573(75)3118

画像国民健康保険 坂下病院

中日新聞広告局 病医院・薬局の求人