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岐阜の病院〈48〉 西美濃厚生病院 養老町

(2011年4月3日) 【中日新聞】【朝刊】【岐阜】 この記事を印刷する

高齢患者栄養管理に力

画像胃ろう患者の様子を診る西脇副院長(左)=養老町で

 肺炎で入院し、食べ物を飲み込むのが困難になった認知症の90代女性。栄養をうまく取れずに元気をなくし、言葉もでなくなっていた。家族と相談し、「胃ろう」で栄養管理して約半年。徐々に体力が回復してきている。

 胃ろうは、内視鏡を使って腹部に口を作り、胃と体外をつなぐ管から栄養を補給する。西美濃厚生病院は、認知症や脳血管障害患者を中心に年間約60人に施術。西脇伸二副院長(53)は「導入の見極めは難しいが、高齢でも体に負担が少ない、安全な栄養管理を目指している」と話す。胃ろうができない人のために、内視鏡を使って腸ろうを造設する高度な技術は全国でも珍しい。

 胃ろう患者を在宅で療養させたり、施設に入る際の橋渡しも行い、3年前から2カ月に1度は、施設職員を招いて勉強会を開催。院内では、看護師や栄養士らを交え、症例研究や新技術提案、管理の注意点などを話し合う専門委員会を設けている。

 委員の看護師津谷親環さん(30)は「患者さんの状況をしっかり見ることが大事。栄養補給の際には『食事入れますね』と声掛けし、生活リズムを意識してもらえるよう心がけている」と話す。

 同院は1948年、高田診療所として開設。増築などを経て2003年に現院名に改称した。高齢患者が増加し、治療が長期化傾向にあるため、昨年4月には病床再編を実施。療養病床を倍増し、その分一般病床を減らした。また4年前に新設した健診センターでは、地域の健康管理を総合的に支えている。

 養老町は他地域と比べて開業医が少ないため、小児など外来病院としてのニーズも大きい。幅広い分野への対応が必要とされる中、内科の消化器系を中心に最先端分野にも力を入れる。早期胃がんや胆管内結石の除去など、内視鏡を用いた上下消化管の診断治療や、高性能の血管造影エックス線診断装置による肝がん治療などの技術にも信頼が厚い。

 地域の実情に合わせた総合力と専門性を目指す同院。齋藤公志郎院長(59)は「地域医療を守るため、やれることは何でもしていきたい」と力を込める。  (小椋由紀子)

地域医療を支える

 齋藤公志郎院長の話 急性期医療の大病院一極集中には限界があり、そこを補うのも中小病院の使命。病院をちゃんと機能している状態で動かすには、経営の安定や、医師・看護師の確保、育成が不可欠だ。今後も病院機能の充実とともに、開業医や施設などと連携し、西南濃地域の医療を支えていきたい。

 西美濃厚生病院 ▽開設 1955年▽一般187床、療養128床▽看護体制 7対1▽常勤医23人、非常勤医17人▽内科、小児科、外科、整形外科、皮膚科、泌尿器科、眼科、麻酔科、歯科など15科▽養老町押越986▽養老鉄道美濃高田駅下車、徒歩10分▽0584(32)1161

画像西美濃厚生病院

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