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岐阜の病院〈49〉 白川病院 白川町

(2011年4月17日) 【中日新聞】【朝刊】【岐阜】 この記事を印刷する

山間地の理想郷目指す

画像ブッフェ方式の食堂で自分で選んだ食事を運ぶ健遊館の入居者ら=白川町坂ノ東で

 昨年6月、病院建物から150メートルの距離に、マンション風の4階建て高齢者専用賃貸住宅「健遊館」が開所した。現在は、平均年齢85歳の36人が入居。介護度は、要介護度4から自立までとまちまちだ。

 各部屋の窓からは病院が見える。「プライバシーは保ちつつ、病院がそばにある安心感が、健遊館の最大の売りです」と同館課長の梶田進さん(60)。緊急コールが鳴れば、車いすのままでも病院で診療が受けられる。

 一方で、入居者の自立性を養うため、2階食堂で、自分でカウンターに立ち、食べ物をよそうブッフェ方式を採用したのも特徴だ。毎月のお茶会のほか、送迎バスによる買い物ツアーや屋上菜園などの催しも計画しているが、「メニューはあくまで自由参加。1日をどう過ごすか、自ら考えて取り組んでもらいたい」と説明する。

 地域の皆さまの健康と生命を守る−。一生をこの地域で過ごすことができるユートピア(理想郷)づくりを目指す、野尻真院長(62)の30年来の「しらとぴあ構想」の思いの原点だ。構想は「医療」「保健」「福祉」「健康増進」の4本の柱と、新たに健遊館が担う「住宅」から成る。

 山間地の病院としては十分な医療メニューをそろえるのが難しい中、救急指定をとり、3大死因のがん・心臓病・脳卒中を念頭に、診療科目を増やして総合化。転院も視野に、診断機器の充実を急ぐ一方、東洋医学のはり・漢方や、静かな自然環境を生かした園芸療法など、独自のメニューも取り入れてきた。

 また構想の柱の保健分野では、手が白くなる林業関係者特有の「振動病検診」を85年に始め、早い時期から大腸がん、前立腺がん検診や脳ドッグも開始。町内女性の2002年〜06年の大腸がん死亡率が県平均の3分の1以下というデータもあり、「肝臓などに転移しやすい大腸がんの早期発見に役立てた」(野尻院長)という。

 健遊館には、訪問看護や町の地域包括支援センターなどを含む白川在宅総合ケアセンターがテナント入居し、在宅高齢者の生活を支える中心的な役割も担う。ゲートボールや剣道の大会の主催を20年以上続けるなどで健康増進にも寄与。しらとぴあ構想を基にした、自然豊かな理想郷づくりを重ねている。 (安藤恭子)

地域で患者支える

 野尻真院長の話 人口1万人の山間地の白川町は、高齢化率が37%に達する超高齢化社会を迎えている。患者は家族だけでなく、地域全体で支える時代。「しらとぴあ構想」が掲げる、5本の柱の材料はそろった。日本の地域医療のモデル施設を目指し、白川に住んで良かったと思える幸せな地域社会に尽くしたい。

 医療法人白水会 白川病院 ▽開設 1946年▽一般急性期59床、療養65床の計124床▽看護態勢 一般急性期病棟で13対1▽常勤医7人、非常勤医19人前後▽内科、外科、整形外科、小児科、脳神経外科、眼科、歯科、口腔(こうくう)外科など13科▽坂ノ東5770▽濃飛バス「白川病院前」バス停から徒歩2分▽電0574(72)2222

画像医療法人白水会 白川病院

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