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岐阜の病院〈50〉 山田メディカルクリニック 岐阜市

(2011年5月1日) 【中日新聞】【朝刊】【岐阜】 この記事を印刷する

訪問診療で不安払う

画像看護師とともに患者を訪ね、様子を尋ねる森本院長(中)=岐阜市東金宝町で

 雨が降り出した平日の午後、「気分が晴れない」と訴える九十代の女性の部屋を、森本佳和院長(44)が白衣姿で訪ねた。

 クリニックが入るビル内にある施設への訪問診療。「タワー43のあのお店、変わっちゃいましたね」「(新しくできた)ドンキ、もう見ましたか」。身近な話題を重ね、空気が和んだところで血圧などを診る。

 「難しいことだけを言っても、理解してもらえないから」と森本院長。診療時間の8割は日常会話に費やす。訪問診療に力を入れ、1カ月に回る患者は、医師2人で200~300人に上る。

 クリニックは金融機関や店舗が立ち並ぶ市街地にある。県都の中心だが、小学校区内の高齢化率は30%を超えた。柳ケ瀬周辺で生まれ育ち、暮らし続ける人が多く、老衰、認知症、脳梗塞といった高齢者特有の症状を抱える。

 雑居ビルや集合住宅に囲まれる環境は、孤独や不安が付きまとう。その一方で、介助が必要で通院に支障がある人もいる。

 「できるだけ住み慣れた場所で過ごすのが一番。だから、なるべくその人の所に行く」。森本院長はそう思いを話す。

 外来診療でも特色のある医療を目指す。米国コロラド大で教壇に立ち、2007年に赴任した森本院長の専門はアレルギー。ぜんそく、アトピー、花粉症…。縦割りではなく、総合的に診るのが強みだ。町の真ん中で仕事の空き時間に立ち寄れる立地を生かし、年間500社からの健康診断も受け入れる。

 経営母体の医療法人和光会が持つビルは9階建て。80年を超える歴史がある山田病院が07年、リハビリや施設からの急患に対応するため岐阜市寺田に移転し、残った施設がクリニックとして再出発した。

 1、2階のクリニックの医療部門のほか、リハビリや居宅介護部門、老人ホームなどが複合し、横断的な利用が可能だ。1階は地域包括支援センターもあり、福祉医療の「総合窓口」の役割を果たしている。

 9階のレストラン「和庵」では、500カロリー以内に抑えたランチメニューを提供。1食650円とお値打ちで、昼休みに立ち寄る会社員の姿もみられる。管理栄養士の劔崎(けんざき)加奈子さん(26)は「家庭での食生活の参考になれば」と月1回は薬膳料理をメニューに組み込む。

 この地へ最初に開業した1925(大正14)年当時、周辺は田園が広がっていた。初代院長は、岐阜で初めて馬や車で往診に出掛けたと伝えられる。

 「病気を治すだけではなく、生活に溶け込んだ人間的な医療を目指す」と森本院長。「町医者」の伝統は、脈々と受け継がれている。 (久下悠一郎)

「おうち」で医療を

 森本佳和院長の話 高齢化社会で、どう最期を迎えるかという課題がある中、いかに「おうち」で医療サービスを受けてもらうかがテーマ。これからも地域に根付きながら、身近で敷居の低いクリニックを目指していきたい。

 医療法人和光会山田メディカルクリニック ▽内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、整形外科、リウマチ科、アレルギー科、放射線科、リハビリテーション科▽常勤医2人、非常勤医7人▽岐阜市東金宝町1−12▽名鉄岐阜駅から徒歩5分▽電058(265)1411

画像医療法人和光会山田メディカルクリニック

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