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左脳活発な子 より言語発達 発達障害早期診断に道

(2011年10月19日) 【北陸中日新聞】【夕刊】【その他】 この記事を印刷する

金沢大教授ら世界初の実証

画像菊知充准教授
画像三辺義雄教授

 左脳の活動が盛んな子どもほど言葉の発達が良好なことを、金沢大の三辺義雄教授、菊知充特任准教授ら「ほくりく健康創造クラスター」のグループが突き止めた。左脳と言語活動の関係は成人では知られているが、幼児で実証したのは世界初。(大森雅弥)

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 19日付の米科学誌「ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス」に発表した。幼児の脳の科学的な研究に道を開く成果で、発達障害などの早期診断につながる可能性がある。

 グループは、横河電機と金沢大、金沢工業大が幼児専用に開発した脳磁図計(MEG)を使い、2〜5歳の子ども78人を測定した。併せて認知機能テストなどをして関連を調べたところ、右側よりも左側の脳が活発な子どもの方が言語能力も優れているという傾向が出た。

 脳疾患などで左脳に問題が起こると言語能力に影響が出ることが知られており、子どもの言葉の発達にも左脳が関係していることが推測されてきた。しかし、幼児は落ち着きがないため、一定の安静が必要な測定は難しかった。グループが使用した幼児専用MEGは、子どもがくぼみに頭を入れるだけで測定でき、5分程度で済む。DVDを見せるなど、子どもがじっとしていられる工夫も重ね、データを収集した。

 脳磁図計(MEG) 脳内の電磁波を測定する機器。電位差を測定する脳波計に比べ、微細な脳活動をとらえることが可能で、脳内のネットワーク構造を調べることができる。ほくりく健康創造クラスターのグループが使ったMEGは幼児専用で世界に2台しかない。

 安全測定で画期的

 桜井芳雄京都大教授(神経科学)の話 幼児の脳活動については従来、脳血流量や脳波などの不完全な測定しかできず、脳の発達は未知の領域だった。今回の研究は、5歳以下の脳内で生じている神経活動を詳細に、しかも安全に測定、解析しており、世界初の画期的な成果だ。幼児の脳を対象とした真に科学的な測定法を確立したことで、感情や記憶などの発達や障害についても急速に研究が進むと期待できる。

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