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ゴボウの種で膵臓がん縮小 富大和漢医薬学研など発見

(2011年12月9日) 【北陸中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

生薬から成分 実用化へ臨床試験

画像ゴボウの種の成分が膵臓がんの縮小に効果があることを発見した、富山大の門田重利教授=富山市で

 伝統医薬学に特化した国内唯一の研究所、富山大和漢医薬学総合研究所(富山市)の門田重利教授(天然物化学)らが、ゴボウの種に含まれる成分が膵臓(すいぞう)がんの縮小に効果があることを発見した。既に臨床試験が始まり、治療法が少ない膵臓がんの治療薬として実用化が期待されている。

 国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)、クラシエ製薬漢方研究所(富山県高岡市)との共同研究。効果が確認されたのはゴボウの種に含まれる「アルクチゲニン」。ゴボウの種は漢方生薬として使われている。

 がん細胞の多くは自ら栄養を補給するために周囲に血管を作りながら増殖するが、膵臓がんの細胞はわずかしか血管を作らず、あまり栄養補給しない。栄養が少ない状態で生きる膵臓がんの細胞は防御機能が高く、抗がん剤にも耐性を示すため治療が難しい。

 生薬に注目した門田教授らは、低栄養状態にした膵臓がんの細胞を、500種類以上の生薬から取り出した成分にさらす実験を繰り返し、アルクチゲニンの効果を確認。膵臓がんを発症させたマウスを使った実験では、アルクチゲニンを投与したマウスは、投与しなかったものに比べ、約1カ月後にがんの大きさが約3分の1に縮小した。

 6月には臨床試験を開始。門田教授は「ゴボウの種は身近に多く存在するため、開発費を抑えることも期待できる」としている。

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