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静岡の病院〈28〉 富士脳障害研究所付属病院

(2012年2月12日) 【中日新聞】【朝刊】【静岡】 この記事を印刷する

24時間体制で急患対応

画像患者の手術に集中する脳外科医たち=富士宮市杉田で

 脳外科手術を専門にする病院で、急患にも24時間対応する。主に医師5人でこなす手術は、1年間に400件近くに上る。井上智弘脳神経外科部長は「1人当たりの手術件数は、全国でもトップレベル」と胸を張る。

 ライトに照らされた手術台の男性患者。執刀医が、脳につながる首の動脈にメスを当てると血管があらわになった。「急ぐよー」。医師の掛け声で、横にいる助手が次々と器具を手渡していく。血管内に詰まった異物は、程なく取り除かれた。

 日本人に多い脳卒中には、脳の血管が詰まる脳梗塞や血管が破裂する脳出血、血栓が首の動脈に詰まって脳への血流が滞る心原性梗塞などの種類がある。いずれも命にかかわる場合があり、手術は最も有効な治療法の1つだ。

 井上部長は、脳研病院の手術の特徴を「安全性を高めることに尽きる」と説明する。手術後の傷痕の小ささをPRする病院もあるが、脳研病院では、執刀医が手元をよく見て安全に手術を進められるように、患部を大きく切開することもいとわないという。

 地元の富士宮市をはじめ、近隣の富士市や山梨県などからも患者が訪れる。2009年1月には、45床を備えた「回復期リハビリ病棟」を開設。長期療養向けの病床もあり、急性期から一貫して治療できる態勢を整えている。

 田村晃院長は「患者がいろいろな医療機関を訪ねる必要がなくなり、負担軽減につながっている」と利点をアピール。医師や看護師、理学療法士、言語聴覚士らが連携し、言語障害や身体のまひなどの後遺症への対策も万全にしている。

 ただ、県内には脳の血管にカテーテルを入れて血栓を溶かすなどの血管内手術の専門医がほとんどいないことから、田村院長は重篤になる前に検査で見つける必要性を強調。

 「脳につながる首などの患部は見落とされがちで、適切に診断がされなかったために脳障害に陥る患者もいる。今後、脳の専門病院として他の病院への意識啓発にも努めたい」と力を込める。 (我那覇圭)

実績を重ね役割を

 田村晃院長の話 急患に24時間対応できる脳外科手術の専門病院は県内だけでなく、東京都などの大都市にも少ない。着実に脳卒中や脳腫瘍の手術実績を上げ、専門病院としての役割を果たしたい。

 富士脳障害研究所付属病院 ▽沿革 1980年3月に開院。医師の派遣元の中心は東京大で、杏林大などからも受け入れている。91年1月に脳ドック検診を開始。現在は耐震化を施した本館を建設中。来年秋までの完成を目指す▽脳神経外科、神経内科、循環器内科、麻酔科、リハビリテーション科▽160床▽常勤医9人、非常勤医19人▽富士宮市杉田▽電0544(23)5155

画像富士脳障害研究所付属病院

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