三重の病院〈85〉 高木病院 鈴鹿市高岡町
患者の情報を職員で共有
高木院長(中央)を中心に、各分野のスタッフが集まって頻繁に開かれるミニ会議=鈴鹿市高岡町の高木病院で79ある病床は全て、1カ月以上の入院が続く慢性期の患者のための療養病棟。それでも急性期と変わらない高度な治療が必要な患者が多く、診療科目は6種類を数える。高木啓介院長(48)と弟の哲之介副院長の両医師が常勤で対応する。
療養に特化した施設の特性上、患者の受け入れは他院からの転院が多い。その際に「患者さんを紹介状1枚で受け入れない」という方針だ。転院を検討中の患者がいると、ソーシャルワーカーを派遣して本人や家族から聞き取り調査を実施。病状だけでなく、家族構成や生活習慣などを職員間で共有し、受け入れに備えている。
情報共有は、転院後も続く。少しの時間を見つけては医師と看護師、ソーシャルワーカー、栄養士が集まって患者に関し話し合う。こうしたミニ会議は、1日に複数回開かれることもある。
患者の小さな変化に目を光らせ「点滴を始めた」「薬を変えた」など治療に変更があればその都度、家族に知らせる。高木院長は「大切な人を預かっているのに、見舞いに来た家族が驚くようなことがあってはならない」と気を引き締める。
家族との連絡を密にし、信頼関係を築くのも地域に愛される病院をめざしていればこそ。高木院長は「規模が大きくないので、職員が集まったり医療機器を更新したりと機動力を生かして対応できる」と胸を張る。
療養病棟を持ちながらも、救急搬送の受け入れにも積極的だ。鈴鹿市北部に立地しながら、市内はもちろん、津市や松阪市からの搬送を受け入れることもあるという。先代院長の高木啓(ひらく)氏が掲げた「弱者への無限の同情」を大切にする精神は、開設から100年が過ぎようとする今も変わらない。 (久野賢太郎)
信頼関係が不可欠
高木啓介院長の話 患者さんのスムーズな転院には、本人だけでなく家族との信頼関係が必要不可欠。地域に愛される病院を目指し、外来診療や救急搬送の受け入れ、病棟が空いていれば急性期の患者にも対応する。状況が許せば近隣への往診にも応じたい。非常勤医の助けを借りながら、副院長と二人三脚で診療に当たっていく。大病院との連携も大切にしながら「頼れる町のお医者さん」感覚を忘れず地域医療の一翼を担っていきたい。
高木病院 ▽創設 1915(大正4)年(前身の高木医院)▽療養79床▽常勤医2人、非常勤医4人▽外科、内科、消化器内科、肛門外科、皮膚科、リハビリテーション科▽鈴鹿市高岡町550。近鉄鈴鹿市駅より三交バスで10分、南高岡(高木病院前)バス停すぐ▽電059(382)1385
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