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三重の病院〈93〉 かすみがうらクリニック 四日市市八田

(2012年4月22日) 【中日新聞】【朝刊】【三重】 この記事を印刷する

断酒へ心と体、両面治療

画像患者にカウンセリングをする猪野亜朗副院長(中)=四日市市八田で

 アルコール依存症の患者らが通院する「アルコール専門外来」を開いている。

 2009年に広藤秀雄院長が県アルコール関連疾患研究会で一緒だった猪野亜朗(あろう)副院長をクリニックに招き、専門外来を始めた。患者数は年々増えており、3月だけで170人が来院した。最近は女性や高齢者の患者が増え、愛知県など県外からの患者もいる。

 クリニックの精神科医が他院の内科医などと連携し、心と体の両面から治療するのが特長。一般的には、内科医による臓器障害の治療に重点が置かれ、精神的なケアがおろそかになりがちだ。猪野副院長は「心も体もボロボロになってから病院に来るのでは遅い。内科医と精神科医が両輪となり、並行して診療を行うべきだ」と強調する。

 精神的なケアは、カウンセリングが中心。依存症患者が断酒を始めると、手の震えや発汗、睡眠障害などの症状が出やすい。薬物療法で症状を抑えながら、患者自身が断酒への意志を強めるよう断酒のメリットを気付かせたり、断酒に向けた目標を一緒になって考えたりする。

 アルコール専門外来の難しさを、猪野副院長は「依存症は自分が病気だと認めない傾向がある。暴言や暴力で家族に悪影響を与えやすく、家族の協力も得にくい」と説明する。家族の協力は治療に不可欠で、患者だけでなく家族へのカウンセリングもしている。

 患者が自ら来院することは少なく、家族に説得されて来るケースが多い。肝臓や膵臓(すいぞう)などの病気やケガ、うつ病などを抱えて来院することも多く、早期治療が大きな課題だ。依存症にかかる前の段階なら、断酒しなくても、飲む回数を減らしたり量を減らす節酒で済む場合もあるため、猪野副院長は「飲酒に問題があれば、早めの受診を心掛けて」と呼び掛けている。 (佐野周平)

早めに専門外来へ

 猪野亜朗副院長の話 長期間の多量飲酒は、体を壊すだけでなく、飲酒のコントロールを困難にしたり、記憶力を低下させたり、うつ状態や自殺の恐れを高めたりする。自分への有害な影響だけでなく、判断力を低下させ、飲酒運転や家族関係を悪化させる原因にもなります。飲酒がこのような問題を引き起こしていたら、早めに専門外来を活用してほしい。

 かすみがうらクリニック ▽創設 2000年(前身の山下外科神経科)▽病床なし▽常勤医1人、非常勤医1人▽精神科(アルコール専門外来)、内科、消化器科、リハビリテーション科▽四日市市八田1の13の17、近鉄名古屋線「霞ケ浦駅」から徒歩1分▽電059(332)2277

画像かすみがうらクリニック

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