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新しい環境

認知症のはなし

(2012年4月24日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

適応難しく混乱も

 認知症の人にとり、なじみの環境は重要です。高齢になって引っ越しや改築をすると、見当識障害といって場所の混乱を来したり、トイレの場所さえ分からなくなることがあります。新しい環境への適応が難しいからです。慣れた場所、よく知っている場所を維持することが大事です。認知症の人はよく、自分の家にいながら家へ帰ると言い、そわそわすることがあります。昔の記憶が残っており、今の家が自分の家でないと錯覚するからです。

 最近では、認知症の人が施設で暮らす場合、大部屋より個室がいいともいわれています。評論家の大熊由紀子さんが大部屋の特養のことを「雑居特養」といい、個室化を勧める運動をされています。高齢者のプライバシーを守り、生活環境を良くすることは誰しも望むところです。

 個室を前提としたサービス付き高齢者住宅の整備が始まっていますが、今後のケアの質の向上が望まれます。もし自分が介護を受けるようになったらどんな施設がよいか、どんな介護を受けたいかを考えると、おのずから結論が見えてきます。ただ、良い環境の施設やケアを選択すると経費も余計かかるようになっているようです。(国立長寿医療研究センター内科総合診療部長・遠藤英俊)

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