生活向上に最適な訓練は 岩砂病院・岩砂マタニティ 森憲司さん
医人伝
リハ医療充実に貢献を リハビリテーション科部長 森憲司さん(42)
「もうじき退院ですね」と患者に声を掛ける森憲司(もり・けんじ)さん「もうじき退院ですね」。リハビリ室で、立ち上がる訓練に励んでいた80代の女性に、リハビリテーション科部長の森憲司さんが声を掛けた。
大腿(だいたい)骨骨折のこの女性。2カ月前に転院してきたころは立つこともできなかったが、訓練を重ね、つえと介助があれば歩けるまでに。表情も明るくなった。森さんの表情も思わず緩む。
病院は今年2月、内科や「回復期リハビリ病棟」がある岩砂病院と、産婦人科の岩砂マタニティが1つに。森さんは、リハビリ科専門医として、回復期リハビリ病棟40床の入院患者を担当する。
病棟では、容体がある程度、安定した患者らがリハビリを積む。脳卒中でまひの残る人が8割。森さんは、訓練に直接携わる作業療法士や理学療法士らと話し合いながら、訓練の内容を決める。
リハビリの難易度が高すぎると患者の意欲をそぎ、訓練が成立しない。簡単過ぎると訓練の効果が上がらない。患者の性格や健康状態を考え、体調管理と機能回復に最適な訓練法、強度を決めるのが、リハビリ担当医の腕の見せどころだ。
「どんなメニューを組み、痛みなどリハビリを妨げる要因にどう対処するかで、患者さんの回復が大きく変わってしまう」。責任は重い。
もともと脳腫瘍や脳血管疾患の手術をする脳外科が専門。リハビリの専門医を志したのは30代半ばで、岐阜県下呂市の下呂温泉病院に勤務していたころだ。
当時、脳外科と回復期リハ病棟の担当を兼務。手術で一命を取り留めても、まひが残り生活に不自由する脳卒中の患者を多く見た。リハビリの知識が不十分で、踏み込んだ指示が出せない自分に限界を感じた。
医師として「患者の生活を支えたい」と考えた結論が、リハビリの専門医になることだった。千葉県の医療機関で4年半修業し、リハビリ科の指導医の資格も取得。一昨年、赴任した。
出身の岐阜県は、人口当たりの回復期リハ病棟の病床数が全国平均を大きく下回る。リハビリ科専門医の研修ができる施設も、岐阜大病院と岩砂病院・岩砂マタニティだけ。「指導医としても、岐阜のリハビリ医療の充実に貢献したい」(佐橋大)
岩砂病院・岩砂マタニティ(岐阜市)
- 同じ連載記事
- 革新的リハビリに挑む 藤田保健衛生大 才藤栄一さん (2013年6月11日)
- 患者の意欲引き出す こころのクリニック西尾 並河勇志さん (2013年6月4日)
- 膵臓がん治療に尽力 静岡県立静岡がんセンター 上坂克彦さん (2013年5月28日)
- 思い通わせ終末医療 国立長寿医療研究センター 三浦久幸さん (2013年5月21日)
- 研究の魅力を伝えたい 三重大大学院医学系研究科 江藤みちるさん (2013年5月14日)
- 同じジャンルの最新ニュース
- 革新的リハビリに挑む 藤田保健衛生大 才藤栄一さん (2013年6月11日)
- <ニュースを問う> 長寿全国1位・長野県の秘密 (2013年6月9日)
- 検査基準値 (2013年6月4日)
- 健診の基準 (2013年5月28日)
- 温泉、毎日入ると脳卒中などになりにくい? (2013年5月26日)







