静岡の病院〈33〉 浜松オンコロジーセンター
がん治療、通院で対応
乳がんの触診モデルを手にする渡辺院長=浜松市中区で病院名に腫瘍学を意味する「オンコロジー」を冠し、さまざまながん(悪性腫瘍)の治療に取り組む。乳、子宮、卵巣など女性特有のがんのほか、肺、胃、大腸などのがんに悩む患者が通院する。
腫瘍内科医の渡辺亨院長を筆頭に、抗がん剤投与を中心にした治療を通院で対応する外来化学療法に力を入れている。「日常生活を犠牲にしないで済む」と渡辺院長は入院治療との違いを説明する。
腫瘍内科医は、がんの治療薬や副作用を抑える薬が次々と出てきたことで、高度な専門知識を持つ人材として医療界で求められている。この要請を受け、日本臨床腫瘍学会は2006年に「がん薬物療法専門医」の認定制度を発足させた。
常勤医は渡辺院長だけだが、手腕は全国でも評判が高い。国立がんセンター中央病院(東京都)で約20年働いたノウハウが生きている。がん専門薬剤師の宮本康敬さんは「がんに関してプロフェッショナル」と表現する。
特に乳がんの診療は高評価で、県内だけでなく北陸や四国、九州など全国の医師から紹介を受けた患者が1週間に10人ほど足を運んでくる。一方で、渡辺院長は「街角がん診療」も目指している。「高機能な診療所が地域の街角に多くできれば、遠くまで行く必要はなくなる」と話す。
患者からセカンドオピニオンを求められることも多い。セカンドオピニオンを約10年受け付けている渡辺院長が30分から1時間ほど話を聞き、なぜその治療が必要なのか、どんな治療が不要・不適切なのかなどを説明している。
センターでは「できることはとことん対応していく」との方針から、がん治療だけでなく、内科全般も診療する。1日に通院する4、50人のなかで、4割ほどが一般内科の患者という。禁煙外来も扱っている。
また、渡辺院長が理事長、宮本さんが理事を務めるNPO法人「がん情報局」の活動として、一般市民や医療関係者を対象に公開講座やフォーラムを開き、がんに対する正しい情報を広める活動をしている。 (木村春毅)
地元で高機能診療
渡辺亨院長の話 有名なメガホスピタルがあって、日常生活を犠牲にして遠くから大勢の患者が来るのはおかしいと思い、地元で外来化学診療ができる病院をと開院した。
センターを「街角高機能診療所」のワーキングモデルにしたい。人の少ない診療所の欠点は独善的になってしまいがちなこと。そうならないよう心がけている。
浜松オンコロジーセンター ▽2005年開設▽腫瘍内科、内分泌内科、外科の3科▽常勤医1人、非常勤医5人▽浜松市中区中央▽電053(452)6940
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