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三重の病院〈94〉 佐那具医院 伊賀市佐那具町

(2012年5月6日) 【中日新聞】【朝刊】【三重】 この記事を印刷する

患者と向き合い大切に 地域に根ざす医療

画像画面に表示されたCT画像を見ながら症状を説明する子日院長=伊賀市の佐那具医院で

 患者と十分に接することなく電子カルテを見ながら薬を渡す−。システム化が進んだ今の病院に足を運ぶと、そんな無機的な診療に違和感を抱くことがある。こうした中、佐那具医院では、医療の基本となる「患者との向き合い」を特に大切にしている。都市部の病院とは異なり、設備も限られるが「じっくり診てもらえるし、ちょっとした体の変調も気軽に相談できる」と地域住民からは、大きな信頼を得ているようだ。

 伊賀市の旧阿山、伊賀両町地域に近く、国道25号沿いに立地。近くにはJR佐那具駅もあり、鉄道や路線バスで患者が訪れる。1969(昭和44)年の開設以来、生活圏で医療を受けられる身近な拠点として信頼を高めてきた。

 2000年の介護保険制度施行の際、伊賀地域には当時、まだ数少なかったデイサービスセンター「さなぐ」をいち早く併設した。制度が浸透し、同様の施設が周辺で徐々に充実してきたことから昨年秋に閉所。現在は「有床診療所」として地域医療に専念している。

 「最近は、もっと早いうちに診ていれば、と思うことが多いです」と子日(ねのひ)光雄院長(64)は話す。とりわけ多いのは、がんだという。「自分は診てもらわなくていい」「費用がかかるから」と検診を敬遠する人が多い。気付いた時には手を施せなかったという経験を何度もしてきたといい、普段の診療でも早期受診を呼び掛ける。

 患者宅だけでなく、老人ホームなどへ出向き、変化がないかどうか確かめる。デイサービスセンターを開設していた時に比べ、一人ひとりを手厚く診ることができるようになったという。

 末期がんの患者や、寝たきりのお年寄りなど、診る対象はさまざまだが、一貫して重視してきたのは「本人や家族の意思を尊重し、気持ちを楽にさせてあげること」という。「間違った情報をうのみにして、慌てて病院にいらっしゃる方もいる。患者さんとの信頼を築けば、過度な心配を取り除くことができます」

 市内の上野総合市民病院(四十九町)、岡波総合病院(上野桑町)とも連携。症状に応じて随時、紹介をしている。 (安部伸吾)

地域に根ざす医療

 子日光雄院長の話 患者さんに、気軽に立ち寄ってもらえるような、地元に根差した診療所を目指す。地域はお年寄りも多く、自力で通院できない人も多い。できるだけ自分から積極的に動き、個々人のニーズに即した医療を提供したい。明らかな症状がみられない人も、普段の生活で少しでも体に違和感があれば、ためらうことなく足を運んでほしい。

 佐那具医院 ▽創設 1969年▽病床数 13▽常勤医1人、非常勤医3人▽内科、外科、胃腸科、整形外科、リハビリテーション科▽伊賀市佐那具町。JR関西線佐那具駅から徒歩8分、三重交通バス「佐那具病院前」停留所下車すぐ▽電0595(23)3330

画像佐那具医院

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