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三重の病院〈95〉 鈴鹿さくら病院 鈴鹿市

(2012年5月13日) 【中日新聞】【朝刊】【三重】 この記事を印刷する

認知症に音楽療法 

画像作業療法士の指導で、認知症治療病棟で歌う年配の患者たち=鈴鹿市中冨田町の鈴鹿さくら病院で

 車いすの高齢者が集まる小さなホールから歌声が聞こえる。認知症治療病棟での音楽療法を取り入れたレクリエーションだ。

 手芸や木工のほか、絵や文字を書く創作活動もある。「自信をなくしたお年寄りに自分の存在価値を自覚し生きがいを持ってもらいたい」と作業療法士の小林大史さん(33)。

 同病棟は、叫んだり、暴力を振るったりして家族と暮らすのが困難な人たちが入院する。徘徊(はいかい)傾向の人も多く、閉鎖病棟として施錠されているが、通路はゆったり歩けるよう全長60メートルの回廊になっている。

 認知症の治療病棟としては9年前に県内で初めて設置された。ほかに精神病棟が開放型と閉鎖型の各1棟、退院準備の開放型の精神療養病棟があり、すべて2階建ての低層構造になっている。

 入院患者の平均年齢は70歳。医薬品の進歩で、国内では近年、20代〜50代の統合失調症患者の多くは通院治療する。鈴鹿亀山地域の精神科医療では、若年・中年層に多い急性期の治療を鈴鹿市内の鈴鹿厚生病院、高齢者に多い慢性期の治療をさくら病院が主に引き受ける。

 医療法人ではなく個人経営という点もさくら病院の特徴だ。川村憲市院長(49)は系列である四日市市の主体会病院出身の元外科医。医師と看護師、作業療法士、精神保健福祉士などが連携しチーム医療を実践する。

 29年前に井田川病院として創立。増築を重ねたため、施設が古く、狭いのが課題。メンタルヘルスの必要性が高まる一方で、国は精神科の病床数を減らす方針を示す。

 放射線技師でもある溝口雅彦事務長(53)は「施設の老朽化など不利な面はあるが、内科が併設され、さらに院長が外科医だったことから、高齢者に多い合併症にも対応できる点がセールスポイント。ただ、国の政策を考えると、精神科病院の経営はさらに厳しい時代になるだろう」と今後の病院の在り方を模索する。 (村瀬力)

介護家族も手助け

 川村憲市院長の話 患者だけでなく介護などで疲弊した家族も手助けし安心してもらえる雰囲気づくりを目指している。個人的には外科医から転身し、個人病院として経営上の厳しさはある。周辺の病院や福祉施設と連携して幅広い症例にも対応し、若手医師に来てもらえる病院にしたい。

 鈴鹿さくら病院 ▽開設 1983(昭和58)年▽病床 219床▽常勤医6人、非常勤医7人、作業療法士6人、精神保健福祉士3人ほか▽看護体制 15対1(認知症治療病棟は20対1)▽精神科、内科▽鈴鹿市中冨田町518。JR井田川駅から車で7分▽電059(378)7107

画像鈴鹿さくら病院

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