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移植で切除の肝臓 細胞分裂より、肥大で再生

(2012年6月1日) 【北陸中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

東大解明 安全な手法開発に道

画像通常の肝臓の細胞(左)と、肥大した再生後の細胞(右)の顕微鏡写真=宮島教授提供

 肝臓は切り取っても数週間で元の大きさに戻るが、これは細胞が分裂して増えるよりも、一つ一つの細胞が大きくなることによるとの研究結果を、東京大分子細胞生物学研究所の宮島篤教授らが1日付の米科学誌カレントバイオロジー電子版に発表した。

 肝臓は高い再生能力を持つため、親子間などでの生体移植が行われている。宮島教授は「細胞の分裂よりも肥大が重要なことが明らかになった。再生の仕組みを探ることで、より安全な移植方法の開発につながるのではないか」と話している。

 実験用のマウスの肝臓の7割を切除すると、通常は1週間で元の重さと機能を回復する。宮島教授らは、この間の細胞分裂の回数を測定したが、重さや機能を回復するには不十分なことが判明した。そこで細胞の核と輪郭の大きさを調べたところ、約1.5倍になっていることが分かった。

 さらに、切除する肝臓を3割に減らすと、細胞は分裂せず、肥大だけによって再生していることも判明。肥大で足りない場合にのみ、細胞分裂して再生している可能性があるという。

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