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6月6日補聴器の日 耳寄りな話 中軽度難聴に購入支援の輪

(2012年6月6日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

中部の自治体独自に助成

画像さまざまな色や種類の補聴器が並ぶ売り場=5日、名古屋市中区のリオネットセンター栄で

 国の基準では補聴器の購入に補助金が出なかった比較的軽い難聴者に、独自の助成制度を設ける自治体が増えている。専門家らによると、毎年のように導入する自治体が生まれ、現在は三重県など全国で15府県以上。6日の「補聴器の日」を前に、患者団体は「軽度も重度も難聴は同じ。支援の輪を広げてほしい」と話す。

 真新しい補聴器を右耳につけた長女(12)が小さな音でテレビを見る様子に、名古屋市瑞穂区の荒木敦子さん(42)は驚いた。「今までは大音量。聞こえていなかったんだ」

 3年前、健康診断で中軽度の難聴と判明。補助がないため全額自己負担で購入した。片耳で7万円ほどかかったが、効果は一目瞭然だった。「以前は言葉の聞き間違えも多く、言葉を覚える上で障害になっていた。つけて良かった」と振り返る。ただ、耐用年数は5年ほど。買い替え時期が近づいている。

 障害者自立支援法では、購入費の大半が支給されるのは70デシベル以上の音しか聞き取れない重度・高度難聴者。40デシベル以上70デシベル未満の中軽度難聴者は、普通の声が聞き取れる程度の難聴として支援制度がない。

 中部地方では、三重県が2006年、中軽度難聴者の未就学児童を対象に補聴器の購入費用の3分の1を補助する独自の制度を導入。年12件分60万円を予算化した。県担当者は「言語力や生活力の発達を考えると、補聴器はできるだけ早めにつけるほど効果がある」と話す。

 長野県では、患者団体などから要望を受けて11年度から14市町村以上で導入。岐阜県内では岐阜市が、09年度に採り入れた。いずれも18歳未満が対象。滋賀県でも現在、研究会を設立して導入を検討している。

 一方、愛知県によると、県内で導入している自治体はない。県担当者は「難聴者だけに公費を使う独自の支援策は、視覚などほかの障害者に説明できない」と難色を示す。

 名古屋難聴者・中途失聴者支援協会も毎年のように、名古屋市に制度創設を求めているが実現していない。協会の高木富生さん(60)は「名古屋は全国でも早い段階で映画の字幕を導入するなど、長らく難聴者支援に取り組んできた土地。予算の制限もあると思うが、子どもの教育を考える上でも手を差し伸べてほしい」と話す。

 補聴器の日 日本補聴器工業会と日本補聴器販売店協会が1999年に、補聴器の普及啓発のために定めた。「6月6日」の数字が、片方を裏返すと両耳の穴のような形になることや、ぞろ目で覚えやすいことなどが理由。

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