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三重の病院〈99〉 長野内科小児科 尾鷲市

(2012年6月24日) 【中日新聞】【朝刊】【三重】 この記事を印刷する

家族のケアも忘れず

画像子どもと母親に優しく語りかける長野曜子医師=尾鷲市大滝町で

 待合室は、小さな子どもと母親の姿が目立つ。診察室にはぬいぐるみや子ども向けの絵が置かれ、小児科担当の長野曜子医師がやさしく話しかける。「○○ちゃん、今日はどうしましたか」「お母さんの体調はどうですか」−。

 小児科は市内に2施設。特に風邪やインフルエンザが流行する冬季は、連日患者でごった返す。乳幼児の予防接種、定期健診の利用も多く、規模は小さいが地域にとっては欠かせない医療機関となっている。

 長野公昭院長(54)が内科、妻の曜子医師(53)が小児科を担当。長野夫妻がモットーとして心掛けているのは「ファミリーの診察」。患者個人でなく、患者を含めた家族を、家族の身になって診察するという意味だ。親子の患者を一緒に診察することもあり、全体の2割を占める。

 一方、親と子を内科と小児科で別々に診療する場合には両方のカルテに目を通し、家庭内で病気が感染していないか、食事に原因がないかなどを確かめる。子どもは体調の変化が激しく、親が神経質になることが多い。明るい言葉で親へのケアも忘れない。

 長野夫妻は順天堂大医学部を卒業後、それぞれ三重大付属病院第一内科、小児科に就職し、派遣医として県内各地の病院で勤務。02年に院長の故郷の尾鷲市で医院を開業した。

 派遣医時代は、夫婦とも、患者とのコミュニケーションが希薄になりがちだったが、開業して子どもや高齢者の患者との距離が近くなるにつれ、きめ細かく患者の生活習慣や家庭環境を知っておく必要性を感じたという。

 高齢化の進む地域だけに、お年寄りの患者が多く、独り暮らしの人も少なくない。家族のいない患者に対しても「ファミリー」の役割を果たし、薬の服用はもちろん、食事など生活習慣にも細やかにアドバイスを送る。病気が高血圧に起因する患者には、血圧の値で一喜一憂しないよう、明るい言葉で緊張感を和らげるなど、雰囲気づくりも忘れない。患者が子どもであっても高齢者であっても、「ファミリーの診察」の姿勢は一貫している。 (宮崎正嗣)

地域に希望与える

 病院の少ない地域では、専門医としてではなく総合医としての役割が求められ、患者に寄り添う気持ちが大事。子どもや高齢者は、軽い病気でも不安や恐れが症状に悪影響をもたらすことがある。患者に勇気と希望を与えられるように、できるだけ笑顔で診察するようにしている。弱い立場の人々も安心してこの地域で暮らせるよう、役立てたらと思う。

 長野内科小児科 ▽開設 2002年▽病床なし▽常勤医 2人▽内科、小児科、循環器内科▽看護師5人▽尾鷲市大滝町10の9、尾鷲市のコミュニティバス「ふれあいバス」で「大滝」下車3分▽電0597(22)8501

画像長野内科小児科

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