つなごう医療 中日メディカルサイト

ヤマノイモ成分が記憶障害を改善 アルツハイマー病に効果

(2012年7月27日) 【北陸中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

富山大和漢医薬研・東田准教授らのグループ発見

画像ヤマノイモや長芋に含まれる成分がアルツハイマー病改善につながることを発見した東田准教授=富山大杉谷キャンパスで

 ヤマノイモや長芋に多く含まれるジオスゲニンにアルツハイマー病を改善する作用があることを、富山大和漢医薬学総合研究所(富山市)の東田千尋准教授(46)らの研究グループが発見した。26日付の英国の科学誌電子版に掲載された。(永井響太)

 東田准教授らは、初めて見る物に興味を示すマウスの習性を生かした実験を実施。ケージにマウスが初めて目にする同じ物体を2個置いて、鼻を近づけたり、触れたりする反応を観察。30分後、1個を別の物体に変えて違いを探った。

 アルツハイマー病の症状を持たせたマウスは、物体を入れ替える前後とも2個の物体にほぼ同じ割合で反応。一方、同様にアルツハイマー病症状を持たせた上でジオスゲニンを20日間投与したマウスは、同じ物体のときは同じ割合で反応したが、物体を入れ替えると変えた方に多く反応した。正常なマウスとほぼ同じ行動で、記憶障害が改善したことが分かった。

 さらに、アルツハイマー病の原因物質の数が、ジオスゲニン投与のマウスはアルツハイマー病のマウスに比べ、大脳皮質で70%、海馬で50%それぞれ減少。神経細胞の情報伝達を担う脳内組織の障害も改善した。

 現在、アルツハイマー病患者に使われる薬は、記憶障害の改善には至っていない。東田准教授は「新しい認知症治療薬の開発の大きな手がかりになる」と期待。今後はジオスゲニンによるアルツハイマー病改善のメカニズムの全容解明へ研究を続ける。 

中日新聞広告局 病医院・薬局の求人