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癒やす練る陶芸療法士 常滑、施設での講師養成へ

(2012年8月10日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

機能回復 脳の活性化にも効果

 焼き物のまち・愛知県常滑市から、技と知識を高齢者のリハビリや福祉活動に生かす民間資格「陶芸療法士」が誕生することになった。指先を使う陶芸は機能回復につながり、脳の活性化にも効果があるとされる。高齢者施設で人気がある陶芸教室で適切に指導できる人材を育成する講座が9月から始まる。

 資格を設けるのは、常滑市に今年1月、設立した一般社団法人「日本陶芸療法士協会」。理事長で急須などを手掛ける常滑焼の陶芸作家都築豊さん(40)=愛知県知多市大興寺=は3年ほど前から老人ホームやデイサービス施設などへの出張陶芸教室を続けている。リハビリなどに役立つといった声が広がり、教室は愛知県内を中心に40施設ほどになった。今も訪問を要望する声が多いため、講師を務めることができる陶芸療法士を養成することにした。

 安価な輸入品などに押され、全国の焼き物産地は軒並み苦境が続く。陶芸療法士は民間の資格で特別な権限はないが「作家が活躍できる場を広げ、収入にもつながる。福祉施設や保育園などで働いている人にとっても陶芸の勉強は役に立つはず」と都築さん。

 初の講座は9〜11月の土・日曜に常滑市栄町の市陶磁器会館で開く。焼き物の基礎知識、陶芸が脳に与える効果、高齢者との接し方などを指導。常滑焼の伝統工芸士らが基本技術を伝える。高齢者施設での実習もあり、3カ月間の講座を修了した人は12月の認定試験を受けられる。

 常滑市立陶芸研究所で陶芸技術を学び、都築さんと訪問活動をしている阪野麻利央(まりお)さん(27)=名古屋市天白区=は「モノづくりの喜びも伝えられる。粘土が形になると、笑顔が広がるのが何よりうれしい」とやりがいを語る。

 協会は今後、資格を取得した後の陶芸教室の紹介、教室を開けない施設向けに費用を支援するサポーター制度などを考えているという。

 陶芸療法士 作業療法の1つとして使われる陶芸を専門的な知識と技術を備えて指導する民間資格。養成講座では焼き物の技術のほか効果があるとされるリハビリ、生徒との接し方などを3カ月で学ぶ。筆記と小論文、実技の修了試験に合格すると陶芸療法士を名乗ることができる。受講資格は18歳以上で陶芸経験などは不要。

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