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寝たきり体験の88歳社長 高齢者の歩行マシンを開発 

(2012年8月18日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

「健常者にできない製品」

画像高齢者にも使いやすいウオーキングマシンを開発した溝渕定社長=浜松市南区で

 福祉機器を製造・販売するテクノ・マイス(浜松市南区)は、高齢者のためのウオーキングマシン「エルダーウオーク」を製造し、発売した。溝渕定社長(88)が、けがや病気で寝たきりになった自身の体験を基に、お年寄りが手軽にリハビリ運動に取り組める装置として開発した。 (白山泉、写真も)

 エルダーウオークは、利用者が歩き出すと歩行ベルトが動き、歩みをやめると自動的に止まる仕組みになっている。動いているマシンに合わせて歩く従来型のウオーキングマシンに「逆転の発想」を加えた製品だ。

 溝渕社長は昨年、動脈乖離(かいり)の病で一時、寝たきりとなった。回復したものの、骨折して歩けなくなった。その時は、「外へ出るのがやっとという状態だった」という。

 リハビリのため、既存のウオーキングマシンを使ったが、「歩行ベルトが動いている時にスイッチを押すのが難しい」と感じ、自分が使いやすいウオーキングマシンに「改善」してみた。

 中国メーカーが作っている製品を大幅に改良。体重を感知して開くタイプの自動ドアと同じ仕組みで、歩行ベルトの後方に体重がかかるとベルトの動きが自動的に止まるようにした。歩行速度も5キロまでに制限し、急停止による転倒事故を防ぐ工夫を凝らしている。価格は18万円。年間1000台を生産し、福祉施設などに販売していく計画だ。

 「自分に一番都合が良いように作った。元気な人には想像がつかない製品」と自信をみせる溝渕社長。寝ている間に製品のアイデアを思い付くこともあり、「ものづくりの精神」が本能的に身に付いているようだ。「腰が痛くても、ものを作っていると夢中になって忘れてしまう。元気になるために、ものづくりをしているようなもんだ」と明かす。

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