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お灸が熱い 若い女性に人気 冷え性改善

(2012年8月28日) 【北陸中日新聞】【夕刊】【その他】 この記事を印刷する

本紙記者も体験 ぬくもり「いい気分」

画像温灸器を使い、くるぶしの上にある三陰交のツボを温める兼村記者=金沢市藤江南の島田薬局で(泉竜太郎撮影)

 女性が男性並みに職場での活躍が期待される中、お灸で体を温めることで激務をいやす「温灸」が、金沢市の若い女性の間で広がっている。不妊などの婦人病の症状も改善させ“温活”とも呼ばれているという。宿直、夜勤をこなしながら街ダネを追う記者も体験してみた。(兼村優希、伊東治子)

 お灸をするのは人生で初めて。桐でできた小さな円筒形の温灸器に炭を入れて火を付ける。炭が赤くなってふたをするとすぐに容器が温まる。これを耳に寄せたらなんともいい気分になってきた。

 同市藤江南の島田薬局代表の薬剤師島田和美さん(45)は「体を温めることで血行がよくなり、生理不順や不妊などの婦人病の症状を改善させる『温活』が若い女性の間で広がっている」と強調する。

 体に跡が残らないので若い女性にも人気で、自宅で使用できるキットも販売されている。

 耳には全身のツボがあり、毛細血管も多い。直接あてたら熱いのではないかと思ったが、穏やかな温かさが心地いい。

 くるぶしの上にある「三陰交(さんいんこう)」と呼ぶツボの上にあてるとジワッとぬくもりが広がる。このツボは下半身の冷えや生理痛、安産に効果があるという。

 不眠に効くのは頭頂部の「百会(ひゃくえ)」。ゆっくりと腹式呼吸すると体全体が温まる。風呂上がりなどのリラックスした時間帯に行うのが効果的という。

 島田さんによると、女性は男性よりも筋肉が少ないため体が生み出す熱量が小さく、冷えやすい。“温活”は、夏でもブーツを履いたり漢方薬を服用したりして体を温める取り組みで、温灸もその一環だ。

 同薬局では、20〜40代の女性を中心に希望者が集まれば温灸のセミナーを開いている。温灸器の使い方だけでなく、食生活などの生活習慣に関するアドバイスも行っており好評という。

 島田さんは「東洋医学の観点から見ても、体を冷やすことはあらゆる病気の根源になる。温灸で体を温めて温活に挑戦してみては」と呼び掛ける。

画像手の甲のツボでお灸を試す女性たち=東京・銀座のせんねん灸ショールーム銀座で(木口慎子撮影)

 こうした“温活”は東京でも流行中という。

 お灸の販売大手のセネファ(滋賀県長浜市)は東京・銀座で3年前から「せんねん灸ショールーム」を運営する。平日の昼間にもかかわらず、女性たちが次々に訪れる。

 東京・青山で「おおした鍼灸(しんきゅう)院」を経営する鍼灸師の大下義武さん(45)は東日本大震災後、不眠や食欲不振を訴える女性患者が増えたと話す。

 「揺れが続いていると感じる症状の人もいたし、放射能の影響を心配して、免疫力を高めるために、自分でできることはないかと相談に来た人も何人かいた」と言う。

 こうしたお灸ブームの背景について、医療ジャーナリストの福原麻希さんは「ここ数年、WHO(世界保健機関)が予防医療に力を入れ、お灸が見直されてきた。若い女性に人気なのも、その大きな流れの一環では」と分析している。

夏バテに効く基本の3つのツボ

 鍼灸師の大下さんに、夏バテのさまざまな症状に効果があるツボを教えてもらった。「曲池」は便秘や下痢などの症状を改善し、免疫力を上げる。疲れやすかったりする場合は「陽池」。食欲不振や食あたり、水あたりの時は「足三里」。ツボは、押した時に痛くて、気持ちがいいところという。

  中国から伝わった自然療法。ヨモギを原料とするモグサに火を付け、その熱で体のツボを刺激し、自然治癒力を高める。世界保健機関(WHO)が認定したツボは全身に361カ所ある。

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