つなごう医療 中日メディカルサイト

静岡の病院〈42〉 焼津市立総合病院

(2012年9月30日) 【中日新聞】【朝刊】【静岡】 この記事を印刷する

最新機器で前立腺手術

画像PVPレーザーで前立腺肥大症を治療する医師=焼津市立総合病院で

 全国的に公立病院の医師不足が叫ばれる中、焼津市立総合病院も例外ではない。内科医は不足するが、太田信隆院長(59)は「選択と集中」を念頭に得意分野での医療体制充実に努めている。

 その一例が自身の専門でもあり「比較的多い」(太田院長)5人の医師を抱える泌尿器科。9月からは、前立腺肥大症の手術に用いられる最新治療機器「PVP(光選択的前立腺蒸散術)レーザー」を県内の公立病院で初めて導入した。

 前立腺肥大症は男性特有の臓器である前立腺が、加齢とともに膨らみ、尿の出が悪くなる疾病。日中出ない尿は夜中に排出されることが多く、発症すると睡眠不足に陥り、生活に悪影響が出ることが多い。

 肥大症の手術は電気メスを用いて、前立腺組織を切除する「TUR−P(経尿道的前立腺切除術)」といわれる手術が一般的だが、血尿が出るなどの合併症が懸念されている。尿道で血液が固まると尿がほとんど出なくなり、有害物質が体内に蓄積。最悪の場合は生命の危険すらある尿毒症を誘発する恐れもあった。

 一方、PVPレーザーは緑色のレーザー光線で前立腺組織を加熱、気化させる(蒸散)手術。蒸散で直下の組織が固まるため、後に出血する心配が少ない。

 これまでは合併症を懸念して手術を敬遠し、服用薬で肥大症を治療する患者が多かったが、薬物療法の効果はあくまで一時しのぎ。より安全性の高いPVPレーザーの導入で、10年で再発率1割程度という肥大症の根本的な治療を促すことができる。

 太田院長は「入院期間も以前より3日ほど少なくて済み、患者の負担はこれまでより格段に軽減されるはず」と今後の効果に期待する。PVPレーザーでの治療は4月から保険適用内となり、手術代もTUR−Pと同じ5万円程度だ。

 太田院長は「医師にとっても合併症の発症率が少なくなれば、負担が軽くなる。公立病院として、医師、患者双方にメリットがあるような環境を目指していくのが理想」と力を込める。 (深世古峻一)

 患者に利益努める

 太田信隆院長の話 小児科と産婦人科が連携する周産期医療など、違う診療科同士が助け合いながら、患者の利益になるよう努めている。公立病院である以上、市民に負担はかけられない。市民のために良かれと思う治療は、どんどん提供していきたい。

 焼津市立総合病院 ▽沿革 1958年に開設され、83年に現在地へ移転▽脳神経外科、産婦人科など23科▽常勤医74人▽病床数486床▽焼津市道原▽電054(623)3111

画像焼津市立総合病院

中日新聞広告局 病医院・薬局の求人