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支え合う みえの患者団体〈8〉 全国パーキンソン病友の会県支部

(2012年10月14日) 【中日新聞】【朝刊】【三重】 この記事を印刷する

患者らの「接点づくり」

画像今年4月に全国パーキンソン病友の会県支部が開いた定期総会と医療講演会の様子=津市で(県支部提供)

 「患者や家族同士がつながれば前向きに生きるきっかけになるんです」。全国パーキンソン病友の会県支部の創立メンバーで、事務局長の松原瑞穂さん(70)=鈴鹿市自由ケ丘2=はほほ笑む。

 パーキンソン病は、脳からの指令がうまく伝わらず、手や足が震えたり、筋肉がこわばったりする難病だ。投薬や手術で症状を和らげる治療はあるが、根治する方法は今のところない。

 松原さんが、この難病と関わりを持ったのは30年近く前。妻(72)が40代半ばで、発症した。60歳以上の高齢者に多いが、若くても発症することがある。妻は最初、手が震え、動きが緩慢になり始めたという。症状は次第に悪化。車の運転などに不安が出て、悩んだ末に仕事を辞めざるを得なかった。「バリバリと働いていただけにつらかったろう」と思いやった。

 「身近で集える場をつくってほしい」との患者家族からの声を受け、松原さんが中心となり、2005年8月に県支部を設立した。創立以来、掲げるキャッチフレーズが「笑いと希望」。「互いに笑い合うことができれば病気を忘れて前向きになれる」と強く思うから。「それが生きる希望につながるんです」と力を込める。

 松原さんが3カ月に1度、編集する会報は27号を迎えた。印刷や送付作業は毎回、会員が協力してくれる。内容は、単に活動報告やお知らせにとどまらない。新聞の切り抜きでiPS細胞(人工多能性幹細胞)など最先端医療研究を紹介したり、医者の健康相談やアドバイスの記事や俳句の投稿コーナーがあったりと、役立つ情報が満載。会員から届いた感謝の手紙が何よりの励みとなっている。

 11人でスタートした会員は現在、162人。各地にブロックもできており、会員同士の交流も進んでいる。松原さんが所属する鈴鹿ブロックでは、月1回集まり、旅行や料理教室、カラオケなどを開く。ある会員も「同じ病気を抱えているので安心感がある。家族のような関係ですよ」。

 松原さんは言う。「家に閉じこもったり、外出をためらう患者や家族も多く、自分たちだけで抱え込んでしまっている。私たちの活動は『接点づくり』。つながることで前を向くことができる。気楽に参加してほしい」 (渡辺泰之)

 パーキンソン病 脳の黒質という部分の神経細胞が減少し、それに伴って神経伝達物質ドーパミンが減ることで運動の調整がうまくできなくなる病気。手足の震えや筋肉の固縮のほか、動きが遅くなるなどの症状が出る。全国パーキンソン病友の会のホームページによると、発病率は人口10万人あたり約100人といわれ、全国で12万人の患者がいると推定される。

 全国パーキンソン病友の会県支部 2005年8月に設立。会員は現在162人で、患者と家族が対象。年2回の医療講演会を開催し、3カ月ごとに会報を発行している。ブロックごとにイベントなどを催し、患者や家族間の交流を深めている。入会等の相談は森寺哲三支部長=電059(388)5008。

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