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日本脳炎新ワクチン3年 重い副作用104人  

(2012年10月28日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

後遺症など8人 厚労省、31日に公表

 現行の日本脳炎ワクチン接種が始まった2009年6月から今年6月までに、医療機関の情報を基にした製薬企業から、104人が接種後にけいれんや脳炎など重い副作用を起こしていたと報告されていたことが厚生労働省などへの取材で分かった。今月17日に岐阜県美濃市で男児(10)が接種後に急死したことを受け、厚労省は31日に「日本脳炎に関する小委員会」を開催。美濃市の男児と7月に死亡した子どもの経緯を公表し、副作用の事例も説明する。

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 104人の内訳は10歳未満が91人、10代が12人、20代が1人。症状は延べ198件。最多は発熱の41件で、次いで発熱に伴う「熱性けいれん」と「けいれん」がともに15件、嘔吐(おうと)が12件、急性散在性脳脊髄炎が10件など。過剰なアレルギー反応を示す「アナフィラキシー反応」と「アナフィラキシーショック」は計五件。回復していなかったり後遺症がある患者は少なくとも8人いる。けいれんやまひなど神経系の障害が全体の35%を占めた。

 薬事法は製薬企業に対し、医療機関から副作用が疑われる症例を知った時は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構への報告を義務付けている。厚労省も医療機関などへ市町村を通じた報告を求めているが、法的義務はなく報告していないケースもあるとみられる。日本脳炎など国が実施する定期予防接種で健康被害が起きた場合、被害者は市町村を通じて国に医療費などの救済措置を申請できる。

 日本脳炎ワクチンの定期接種では、04年に女子中学生が急性散在性脳脊髄炎にかかり、厚労省は翌年に「積極的な勧奨」を控えた。09年6月、マウスの脳を利用した旧ワクチンから、動物の脳が使われず副作用が少ないとされる乾燥ワクチンが使われている。

 迅速に情報発信を

 厚労省で予防接種に関する委員を務める国立成育医療研究センター・加藤達夫名誉総長(小児科)の話 市町村を通じて医療機関や被害者から厚労省に報告される内容は、毎年12月に前年度1年分を1度にチェックする仕組みになっており、緊急な検討ができない。厚労省に直接的に連絡でき、年に3、4回の頻度で検証する体制をつくり、迅速に詳しい情報を発信する必要がある。

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