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支え合う 患者たちの絆〈25〉 吃音者の自助グループ「岐阜言友会」

(2012年11月4日) 【中日新聞】【朝刊】【岐阜】 この記事を印刷する

悩み共有し励まし合う

画像滑舌訓練や早口言葉などに取り組む岐阜言友会の会員たち=岐阜市で

 「あえいうえおあおー」「かけきくけこかこー」

 日曜の午後、岐阜市南部コミュニティセンターの一室。吃音(きつおん)の悩みがある人らがテーブルを囲み、滑舌訓練を繰り返す。次に早口言葉と発音訓練。1人が読み上げた後、みんなで一緒に復唱する。続いて3分間スピーチ。近況を中心に報告し、質疑応答。言葉のキャッチボールが続く。

 スマートフォン(多機能携帯電話)を操る大学生や大学院生、吃音の有無が分からないほど流ちょうに話す年配者の姿もある。

 入会して間もない高校3年の少年(18)の将来の夢は介護福祉士。先日、専門学校のオープンキャンパスに参加した。

 その際、専門学校の担当者から「命に関わる仕事だから、いざというとき吃音はハンディになる」と言われたという。それでも少年は前向きで「パソコンの専門学校に進み、技能を身につけようと思っています」。

 スピーチを聞いた男性が「吃音を理由に夢をあきらめる必要なんてないよ。頑張れ」と励ます。別の男性は「夢をかなえるだけが人生じゃないぞ。若者には選択肢も可能性もいっぱいあるから」と声を掛ける。みんな少年の“応援団”だ。

 こんなやりとりが続いた後、10分間の休憩を挟み、あっという間に3時間が過ぎた。

 事務局長の村上英雄さん(63)=養老町=は40年前、養護学校(現特別支援学校)に教諭として着任した際のあいさつで「私は吃音です。ずっと悩んできました」と打ち明けた。胸がすっと楽になった。

 1人で悩まず、力を合わせて吃音に向き合おう−。村上さんらが中心となって1974年7月に会を発足。県内外から集まった仲間が悩み、考え、励まし、支え合っている。

 入会して20年になる伊藤茂さん(72)=岐阜市=は「この場に若い子が来ること自体、素晴らしい。僕はよう来なんだからね。あの高校生には頑張ってほしいなぁ」

 例会終了後、少年は「みなさんに励ましていただいて心強いです。思いを伝えることもでき、胸が楽になりました。頑張ります」。目は少し潤んでいた。

 清田祐典会長(58)=愛知県一宮市=は「私も言友会の仲間に支えられてきた1人。悩みを抱えたまま引きこもってはだめ。吃音のことを社会の人に知ってもらうことも大切だから」と話している。 (松瀬晴行)

 岐阜言友会 会員は県内外の約35人。毎月第2日曜の午後1時から例会を開催。吃音のほか、人前で話すのが苦手な人、赤面する人、言葉の発声に障害がある人、吃音に関心がある人など誰でも入会できる。入会金500円、月会費300円は発足当時のまま。(問)村上事務局長=電0584(32)9504。

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