つなごう医療 中日メディカルサイト

支え合う みえの患者団体〈12〉 互助組織「友愛会」

(2012年11月18日) 【中日新聞】【朝刊】【三重】 この記事を印刷する

会員交流し悩み解決

画像排便用の袋を手に「ストーマとうまく付き合って楽しく生活したい」と話す豊田さん=明和町明星で

 27年前、直腸がんになり、手術で肛門と直腸を切除。それ以来、人工肛門をつけて生活している。「当時はストーマ(人工肛門)なんて言葉も知らなかった。術後の生活が想像できなくて、なんとか回避できないかと悩みました」。人工の肛門やぼうこうを装着する人(オストメイト)の三重県内の患者会「友愛会」の会長を務める豊田竜平さん(77)=明和町明星=は振り返る。

 人工肛門のオストメイトはへその左側付近に開けた小さな穴に体内の腸をつなぎ、腹部に取り付けた袋に便をためる。たまると袋を交換したり洗ったりする。豊田さんは毎晩、袋を取り外して入浴し、入浴後に新しい袋を取り付ける生活を送っている。「めったなことでは袋は外れないし、日常生活での支障は感じない」と笑う。

 失敗談もある。十数年前、友人とゴルフを楽しんでいる際に便が漏れてしまい、着ていたシャツにしみ出した。「今と違い、オストメイト対応トイレはほとんどなく、本当に困った」と話す。27年の間に社会理解は進んだ、と感じている。公共施設や大規模駅には対応トイレの設置が進み、公共浴場での入浴を断られることもなくなった。

 日本オストミー協会によると、オストメイトは全国に18万人いるとみられるが、「排せつにかかわる障害を他人に知られたくない」という思いから周囲に打ち明けることができず悩む人も多い。

 豊田さんは「ストーマを装着して間もないころは、『外出できない』『風呂に入れない』と後ろ向きな考えになりがち」と話す。友愛会では、会員同士で体験談を話し合ったり、旅行に出かけることで悩みの解決を図っている。

 「自分の体の一部と思うことで気持ちは楽になる。ストーマとうまく付き合って楽しく過ごせるよう活動を続けていきたい」 (水野健太)

 オストメイト 腹にストーマ(人工肛門や人工ぼうこう)を持つ人の名称。消化器系の病気や先天性疾患などストーマを造成する原因はさまざま。

 友愛会 1982年設立。社団法人日本オストミー協会三重県支部を兼ねている。年2回1泊2日の旅行研修に加え、医師や看護師を講師に招きストーマに関する講演会を精力的に開き、会員同士の親睦を図りつつ新しい装具についての知識を深めている。「オストメイトの社会参加を目指し、日常生活を楽しく過ごす」を目的に掲げている。問い合わせは豊田竜平会長=電0596(52)5623=へ。

中日新聞広告局 病医院・薬局の求人