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支え合う 患者たちの絆〈26〉 飛騨市障がいのある人を支える会

(2012年11月18日) 【中日新聞】【朝刊】【岐阜】 この記事を印刷する

古川の新支援学校PR

画像会の手作り品などをPRするメンバー=飛騨市古川町で

 手作りのマスクやポケットティッシュのケースにエコバッグ…。岐阜県飛騨市古川中学校で6日、会員が玄関口にブースを設け、会の手作り品を並べた。6日は合唱祭があり、多くの保護者らが来校。会員は保護者らに活動を紹介するチラシも手渡した。会の念願であり、来年4月に古川町で開校する飛騨吉城特別支援学校を知ってもらう目的がある。

 4年前の会発足時から、奈木桂子さん(50)=古川町上北=と山下恵美子さん(54)=神岡町梨ケ根=が共同で代表を務める。これまで飛騨市には特別支援学校がなく、子どもらは隣の高山市まで通い、保護者ともに負担が大きかった。会は発足当初から県、市に支援学校の設置を要望してきた。

 奈木さんは20歳の長男が自閉症で、高山市の飛騨特別支援学校を卒業。今は隣接する施設「山ゆり学園」に入所する。新しい場所や集団が苦手で落ち着きがなくなるといい、目に見える障害でない分、周囲から違和感を持って受け止められることもあり「世間の理解がほしい」と願う。

 市内での支援学校の設立が決まり、飛騨市、高山市国府町、上宝町の一部地区を対象に子どもらが通うことになる。会では支援学校に備品を贈るためベルマーク運動も続け、35万円相当の点数をためた。

 会員で神岡町船津の茂利和沙さん(50)にとって、市内に支援学校ができる意味は大きい。知的障害がある長女(17)は地元の神岡小学校を卒業後、毎朝6時起きでバスに乗り、高山の支援学校まで通っている。「幸いバス好きで5年間通ってきたけれど、最後の1年間は古川に通うことができる」。通学時間は、1時間半から30分に短縮される。

 会での活動を通じて茂利さんは自身の変化も感じた。「この子がいなかったら逆に私は何をやっていたんだろう。ライフワークをもらった気持ちになることもあるし、親も支えられているのでは」

 会は1つの目標をクリアした。ただ奈木さんは「支援学校ができても、次の場所がなければ」とも話す。「働く場所、生活の場所は一生のことで、自分に合った作業所を選べる環境がほしい」。会は将来にわたって働ける拠点づくりを見据えている。 (島将之)

 ▽飛騨市障がいのある人を支える会△ 「障がいのある人もない人も安心して暮らせるまちづくり」を目標に2008年に発足。

 前身は、障害のある子どもがいる保護者らでつくる「手をつなぐ親の会」。旧古川、神岡町の2つの団体が統合した。飛騨市を中心に現在の会員は260人で、3分の2以上は一般の有志が参加している。発達に心配がある子どもらを対象にした遊びの広場を年数回開いたり、会の手作りグッズを販売したりする。問い合わせは、代表の奈木さん=電090(4227)3610

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