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静岡の病院〈45〉 榛原総合病院

(2012年11月25日) 【中日新聞】【朝刊】【静岡】 この記事を印刷する

「家庭医療科」を開設

画像家庭医の必要性などを説明する今村病院長=牧之原市細江で

 牧之原市と吉田町に加えて、島田市南部や御前崎市東部など人口10万人をカバーする基幹病院。地域医療を充実させようと、9月から産婦人科や外科、内科などを総合的に診る「家庭医療科」を立ち上げた。妊婦検診から発熱した子ども、高齢者の生活習慣病まで幅広く診療する。

 「体調不良の時に何科を受診すべきか」「どんな検査を受けるのか」−。治療の窓口を担いながら、患者の不安や悩みにも対応するのが家庭医療科だ。「高度な診断治療機器を使う特別な病気の方は少なく、多くの病気はここで処置できる。必要とあれば専門科に振り分ける」と話すのは今村正敏病院長(65)。毎週木曜日に限って診療を開始したが、胸痛、腹痛などの患者以外に、手術の必要がない虫垂炎や湿疹、水虫などが診療内容という。

 同科は、8月に赴任した今村病院長の肝いりで始めた地域医療再生計画の1つ。来年4月から後期研修医を対象とした家庭医の養成に取り組む。「当院を含めて地域の医師不足は否めない。拠点病院として医師を育てながら地域に貢献したい」と話す。すでに徳洲会グループを通じて研修医の派遣を依頼。米国で20年余の家庭医経験を持つ佐野潔医師を指導医に迎え、同院各科の専門医らとともに3年間にわたって教育にあたる。離島での勤務経験を持つ今村病院長は「医療過疎地では1人の医師が何役もこなしてカバーし合う。研修後も地域に根差した医師を育てたい」と期待する。

 家庭医育成に併せて、徳洲会グループの医師や看護師、各種検査技師の研修施設となる「シミュレーションセンター」も計画する。最新のトレーニング機器を備えて、治療や診断のレベルアップにつなげる。牧之原市内で唯一の産婦人科も拡充させる方針。妊婦の受け入れは現在年間300人にとどめているが、今後は「医師を充実させて地元の妊婦さんは全員この病院で出産できるようにしたい」(今村病院長)という。

 医師や看護師、各種検査技師らがレベルアップに向けて、治療効果や新しい取り組みをまとめた病院学術雑誌を年1回作成。地域住民向けの公開医学講座を毎月10回前後、同院講堂や公民館などで開いている。 (赤野嘉春)

 家庭医を育成する

 今村正敏病院長の話 全国で地域医療を支えようとする医師が減っている。当院でも医師の退職に伴って診療科が不足し将来的には普通の病気でも地元で対応できなくなるかもしれない。大学病院からの派遣医師に頼って病院を運営していくのは限界がある。地域医療に情熱を持つオールラウンド型の家庭医を育てるのが近道で、家庭専門医がいれば榛原地域は10人規模の医師で支えられる。将来的には家庭医育成の先進地として日本全国のへき地や離島にも医師を送りたい。特色ある病院にすることで、展望が開けると信じている。

 榛原総合病院 ▽沿革 国民健康保険川崎町外4ケ町村(吉田町、勝間田村、坂部村、初倉村)組合による共立榛原病院として1954年開院。昭和、平成の自治体合併などを経て、2005年に牧之原市と吉田町の一市一町の病院組合になり、10年から医療法人「沖縄徳洲会」が指定管理者として公設民営で運営している▽450床▽常勤医18人、非常勤医69人▽牧之原市細江▽電0548(22)1131

画像榛原総合病院

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