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静岡の病院〈46〉 県立こども病院

(2012年12月9日) 【中日新聞】【朝刊】【静岡】 この記事を印刷する

最高水準の医療・救命

画像重篤な子どもを治療する小児集中治療センター=静岡市葵区漆山で

 全国に16ある小児医療専門の独立型医療機関の中でもトップレベルの医療水準、救急救命体制を整えている。特に2007年6月に開設された小児専門の24時間体制の救急救命治療を行う小児集中治療センター(PICU)は、当院を含めて全国に4カ所しかなく、先進的モデルとなっている。

 センター長の植田育也さん(45)は米国で研修後、1998年に長野県内の病院でPICUを創設。静岡県の要請を受け、07年にPICUを当院で立ち上げた。「県内の病院で対処できない患者や重篤患者を専門に受け入れている」と話す。救急車や、ドクターカー、ドクターヘリで県内や近隣県から搬送される重症患者は年間500人ほどにもなるという。

 「病床8床は常に満床の自転車操業状態」(植田さん)で、13人の専属医師と看護師30人が、24時間体制で治療に当たる。植田さんは「県内の医療、消防機関とさらに連携を深めていきたい」と課題を語る。

 出生時に1000グラム未満の超低体重児の治療・看護を中心とする新生児未熟児科は、事前診断で胎児が重篤と分かったり、出産に危険が伴うと判断されたりした妊婦のほか、超早産や難病の新生児らが全国から入院、治療を受けている。

 新生児特定集中治療室(NICU)など33床は常に満床状態で、8人の専門医と60人の看護師が24時間体制で新生児の命を見守る。田中靖彦科長(48)は「現在、15床のNICUを来年には18床に増やしたい」と、体制強化を目指す方針を示した。

 小児心臓疾患専門の治療科「小児循環器センター」(CCU)は「全国トップレベルの医療水準」(瀬戸嗣郎院長)で、年間350人の患者を全国から受け入れている。大崎真樹科長(43)は「内科、外科、循環器科などがうまく連携して患者を治療しており、全国のモデルとなっている」という。瀬戸院長は「最高水準の治療技術を生かして質の高い医療を提供していく」と話した。 (本田英寛)

 小児医療最後の砦

 瀬戸嗣郎院長の話 高度な小児専門医療の提供、小児医療関係者の育成、地域医療機関と連携しての小児医療水準向上に主導的役割を果たすのが使命だ。全国的にも珍しい小児集中治療センターを中心に医療体制を整備してきた。すべての子どもと家族のために安心、信頼、満足が得られる医療を行い「小児医療の最後の砦(とりで)」としての役割を果たしたい。

県立こども病院 ▽沿革 1977(昭和52)年に開院。2008年に総合周産期母子医療センターに認定。10年に小児救命救急センターに指定。11年に6代目院長の瀬戸嗣郎院長が就任▽小児集中医療科、新生児未熟児科など27科▽279床▽常勤医87人▽静岡市葵区漆山▽電054(247)6251

画像県立こども病院

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