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コラム「紙つぶて」 がんの臨床研究に期待すること 花井美紀

(2012年12月22日) 【中日新聞】【夕刊】【その他】 この記事を印刷する

患者と医療者協働 希望の道開く

 医療は日々進化していますが、再発転移がんを完全治癒させる方法は、いまだ道半ばです。だからといって、いのちを諦めることはできません。「何かほかに手だてはないか」と思うのは当然で、新薬の治療を兼ねた試験である臨床研究(治験)に期待を寄せます。全国で実施されている臨床研究は、国立がん研究センターの「がん情報サービス」などで一覧できます。

 ところが、専門的な内容のため自分が参加できる研究か否か患者には理解できません。サイトには「主治医にご相談ください」とありますが、ある化学療法医によると「主治医でさえ目の前の個々の患者さんに、全国で行われている臨床研究のどれが当てはまるのか、その質、期待度はどうなのか十分説明できるとは言えない」ということです。

 有望な新薬を一日も早く世に出すには、患者の臨床研究参加が不可欠。国のがん対策推進基本計画にも、国民の努力として「がんに関する治験および臨床研究の意義を理解し、積極的に参加すること」と明記されています。実現には、医師と患者が臨床研究の情報を共有できる環境整備が必要。求める情報に容易にたどりつけ、すばやくアクションできるユーザーフレンドリーな臨床研究サイトの開設が望まれます。

 二人に一人ががんにかかる時代。患者と医療者の協働による臨床研究が、がん医療の希望の道を開くことを心から祈りつつ最終稿を閉じます。半年間、ありがとうございました。(NPO法人ミーネット理事長)

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