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支え合う 患者たちの絆〈29〉 アトピッ子ぶうわの会

(2013年2月3日) 【中日新聞】【朝刊】【岐阜】 この記事を印刷する

安全な食求め親が協力

画像有機材料を使ったみそ造りに取り組む会員ら=土岐市土岐津公民館で

 「じんましんが出たら救急車を呼んでもよいのだろうか」

 昨年10月中旬、多治見市南消防署で、食物アレルギー症状のある子どもを持つ親でつくる「アトピッ子ぶうわの会」は、会員向けに救命講習会を開いた。

 企画した橋本由紀子代表(48)=土岐市肥田町=は「救急車を呼ぶことをためらう親は多い。アレルギーの症状は緊急度が高く、迷ったら救急車を呼んでくださいとの署員の言葉は心強い」と話す。

 橋本さんの中学1年の長男は、小麦と加熱していない卵、ピーナツなどでアレルギー症状が出る。会に入ったことで、病院や無農薬の食品を販売する店の情報を知ることができたという。

 会を1988(昭和63)年に設立した森本明美さん(56)=多治見市小名田町=は「当時は今ほどアレルギーの子が多くなかった」と話す。長女の進学に合わせ、登校先の学校だけでなく、市にもアレルギーの子への対応を働き掛けた。

 森本さんの時は、弁当を持参させていた。今では給食で食べられない食品を一部抜いて、自宅からそれに代わる物を持ってくる「部分給食」を選択する会員もいる。

 いずれにしても家庭の負担が多い。会員らは献立の詳細を毎月、市の給食センターから受け取り、子どもと食べられる日の確認をする。会員の1人は「困ったのは仕入れの関係で突然メニューの変更があった時。今ではメールで連絡が来るようお願いしてある」と、ことあるごとに根気よく働き掛けている。

 子どもの心のケアにも注意を払う。部分給食でも、色合いや形を給食に似せた料理を子どもに持たせる。ケーキが出る場合は、事前に卵を使っていないケーキを給食と同じ箱に入れて出したり、カボチャでオムレツを作ったり。

 会は年に10回の定例会と会報誌を4回発行する。医師を招いた講演会や食物アレルギーに対応した料理教室、クリスマス会を開く。1月末には有機材料でみそ造りにも取り組んだ。

 東日本大震災では、会員間のつながりを実感したという。保存食の乾パンは小麦アレルギーの子は食べられない。小原純子さん(41)=多治見市平井町=は「自己備蓄が通常なら3日だが、1週間は必要だと認識した。災害で動けなくなる場合もあるので、会員の連絡網は助かる」と話す。

 全国では給食センターがアレルギー症状のある子ども用に給食を出す自治体もあり、会員らは「格差をなくしたい」と願う。 (畑間香織)

 食物アレルギー 卵や牛乳などの乳製品、エビ、カニなどの甲殻類、キウイ、ピーナッツなどを食べると、じんましんや嘔吐、下痢などの症状がでる。重症化するとのどの腫れによる呼吸困難や血圧低下で死に至ることもある。

 アトピッ子ぶうわの会 多治見市総合福祉センターで集まる。多治見、土岐、瑞浪の東濃西部3市や可児市、愛知県一宮市、岡崎市の会員23人が所属。年会費は1400円。次回の会合は20日。問い合わせは=電0572(54)3605。

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