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支え合う 患者たちの絆〈30〉 NPO法人かがやき

(2013年3月3日) 【中日新聞】【朝刊】【岐阜】 この記事を印刷する

障がい者の自立へ奮闘

画像調理をする新屋展子さんを見守る仲間やスタッフ=下呂市萩原町のケアホームかがやきで

 作業所から帰ってきた入所者に笑顔の花が咲く。スタッフとのしばしのおしゃべりタイム。夕食の時間が近づくと、当番の新屋展子さん(32)がスタッフとともに食事作り。鍋料理の野菜を勢いよく刻む展子さんへ「(野菜が)大きすぎるよ」と笑顔のアドバイスが飛んだ。

 一昨年4月、知的障がい者が共同生活を送るケアホーム「かがやき」を、下呂市萩原町に開設した。現在の入所者は4人。作業所などで仕事を終えてケアホームに戻ると、それぞれの部屋で過ごすほか、食事や清掃、風呂のお湯張りなどを当番で担当。9人のスタッフが生活を支援している。

 ホーム開設のきっかけは、障がい者の親たちの切実な思いだった。展子さんの母で、現在ケアホームの施設長を務める伊都子さん(60)らは、15年前に障がい者の交流の場として「益田どんぐりの会」を設立。ボランティアの会員とともに月1回、プールやキャンプなどレクリエーション活動を楽しんできた。

 だが年数がたつごとに親たちに高まってきたのが「自分がいなくなった時、この子は大丈夫だろうか」という不安。「姉妹が面倒を見てくれると言うけど、姉妹にも家族があるし、どうしても気兼ねができるだろう」と伊都子さん。親離れ、子離れの機会をつくりたい。共感した会員が中心になり、ケアホーム開設につながった。

 ケアホームでの生活もまもなく2年。「家と違い我慢が必要なこともある。だけど娘はここの生活が楽しみみたい」と伊都子さん。入所者は全員どんぐりの会に入り、昔から知っている仲間なのも安心して生活できる点だ。職員の遠藤才英さん(56)は「自然と上下関係ができてます。洗濯や調理もだんだん上手になってます」と話す。

 どんぐりの会にボランティアで加わり、NPOの理事長になった中川智文さん(50)は、4月から自身の農地を提供し、作業所の「たんぽぽファーム」も開設する。「農業ならある程度の収入も確保できる。産地直売所やレストランもやれるようになれば」。障がい者の自立へ向けた奮闘が続く。 (田中一正)

 ▽NPO法人かがやき△ 益田どんぐりの会の会員らが2010年に設立し、2011年4月にケアホームかがやきを開設。入居定員は7人で、週1回家に帰る日を除いて共同生活を送り、スタッフが支援する。費用は1カ月5万8000円。また今年4月からは作業所として、農園たんぽぽファームを開設する。問い合わせはケアホームかがやき=電0576(52)3367=へ。

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