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避難地域外の母子を調査 線量の不安は? 暮らしは?

(2013年3月6日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

中京大など 福島9市町村で数年追跡

福島九市町村

 福島第1原発事故による生活環境の変化や放射線への不安が母子に及ぼす影響を調べようと、中京大(名古屋市)などの研究班が、福島県内9市町村の母親らを対象にした意識調査を始めた。7月までに結果をまとめ、母子の不安やストレスの軽減などに役立てたい考えだ。

 対象は原発から30〜90キロ圏にある福島、郡山、二本松、伊達、本宮の5市、桑折、国見、三春の3町と大玉村。いずれも警戒区域や計画的避難区域から外れており避難指示も出ていない。原発事故で放射線量の高い避難地域住民を対象にした健康調査などはこれまでにあったが、線量の比較的、低い地域で暮らす母子に着目する調査は珍しいという。

 調査は、9市町村に住む3歳児のいる全家庭6200世帯が対象。母親がいない場合は他の保護者に回答を求める。既に今年1月、質問票を郵送。母子の健康状態のほか「子どもを外で遊ばせているか」「地元産の食材は使うか」など具体的な暮らしに踏み込んで、事故が母子に与えた心身の影響を尋ねている。3月4日時点で2461人(約40%)から回答があった。

 調査は子どもが小学低学年になるまで毎年続け、ストレスの蓄積度や意識変化、健康への影響なども調べる。結果を基に現地で健康相談会などを開くことも予定している。

 研究班は、水俣病による住民の健康不安問題に取り組んできた公衆衛生学の専門家らで構成。研究班の1人、中京大の松谷満准教授(社会学)は「現状では低線量被ばくに対する科学的知見が定まっておらず、ストレスを抱えずに子育てするのは難しい。よりよい環境をどうつくるか考えたい」と話している。

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