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インドのハンセン病村 貧困救いたい 雑貨作りで自立手助け

(2013年6月7日) 【中日新聞】【夕刊】【その他】 この記事を印刷する

名古屋の学生ら 17日からネット販売

画像「コロニーの住民が貧困から抜け出すきっかけに」と、ソーシャルビジネスの意義を語る安田さん(右)と梶田さん=名古屋市中村区で

 世界最大のハンセン病発症国インドで、名古屋市や東京の学生らの団体「namaste!(ナマステ)」が地道な支援を続けている。17日から、元患者や家族の手作り雑貨のネット販売を日本で始める。病気やカーストによる差別で町に住めず、困窮する元患者らの収入源をつくるソーシャルビジネスの試みだ。(谷岡聖史)

 団体は、中国でハンセン病元患者らの支援活動を経験した早稲田大の学生を中心に2011年に結成。早大や名古屋市立大、岐阜大、神奈川大などの学生や卒業生約25人が所属する。

 代表の梶田恵理子さん(24)=愛知県犬山市=によると「インドでハンセン病を発症すると、人間ではない存在として扱われる」。職業や身分を決定する土着の慣習「カースト」から外れるため、完治しても仕事に就けない。

 多くの元患者や家族は町外れにコロニー(定着村)をつくり、物乞いをして暮らしている。数十人から数千人規模のコロニーがインド全土に700以上あるといわれるが、正確な実態は不明だ。

 これまで梶田さんらは計約5カ月間インドに滞在。北東部にある西ベンガル州などのコロニーに泊まり込み、家屋や井戸の修繕を続けるうち、課題が見えてきた。

 「経済的に学校に通えないため、結局は子や孫の世代も仕事に就けていない」と副代表の安田亜希さん(30)=名古屋市西区。貧困の連鎖を断ち切ろうと、現地NPOの指導でコロニーの住民が作った小物やアクセサリーを日本で販売することを企画した。

 2人は早大を今春卒業。就職せず活動に集中する道を選び、実家に帰ってアルバイトで費用をためている。梶田さんは「本当の解決には、現地の人が活動に加わることが必要」と、来年夏にも現地の大学院に留学してインド人学生の仲間を募る。安田さんは「社会貢献という付加価値のあるアクセサリーとして、将来は結婚指輪などの商品も展開したい」と構想している。

 コロニーの雑貨を販売するウェブサイト「oaks」は17日に開設予定。問い合わせは安田さん=india.oaks@gmail.com=へ。

 世界のハンセン病 ハンセン病は神経や皮膚などを侵す慢性感染症。錠剤を飲む自宅療法が確立し、日本など先進国ではほぼ克服されたが、熱帯の途上国を中心に感染が広がる。笹川記念保健協力財団(東京)によると、2011年に新たに見つかった患者は世界で21万9000人。うちインドは最多の12万7000人で、3万4000人のブラジル、2万人のインドネシアが続く。

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