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赤ちゃんにも同情の心 「性善説」、実験で裏付け?

(2013年6月13日) 【中日新聞】【夕刊】【その他】 この記事を印刷する

京大・豊橋技科大チーム アニメを見せて

画像球と立方体の幾何学図形が動くアニメ(下)を見る10カ月の乳児

 京都大の鹿子木(かなこぎ)康弘特定助教(発達科学)や豊橋技術科学大の北崎充晃准教授(認知神経科学)らのチームは、生後10カ月の乳児が、攻撃を受けた被害側に同情のような態度を取ることを実験で確認した。人は生来的に善だという「性善説」の可能性を支持する成果。米科学誌プロス・ワン電子版に13日発表した。

 1歳半以上の乳幼児では、痛がっている他者を悲しそうな顔で見たり、近づいたりといった同情的な態度を取ることが知られていた。言葉を話す前の乳児を対象に示したのは初めて。

画像アニメを見た後、図形の実物をつかみにいく乳児=いずれも鹿子木助教提供

 鹿子木助教らは、生後10カ月の乳児20人に、球体と立方体の図形が動く20秒のアニメを見せた。一方の図形が、もう一方の図形を追いかけてぶつかったり押しつぶしたりする内容で、その後、球体と立方体の実物を並べ、どちらの図形を手に取るかを調べた。その結果、8割の16人が攻撃される図形を手に取った。

 これだけでは、攻撃する図形を乳児が怖がって手にしなかった可能性がある。研究チームはさらに、中立的に動く別の図形を加えたアニメを別の乳児12人に見せ、中立図形と攻撃される図形の二つを並べた。ここでも8割以上の10人が攻撃される図形を選択。苦境にある図形を選ぶと分かった。

 鹿子木助教は「人間の生来的な本質が善か悪かについては長く議論されてきた。今回の成果は性善説の可能性を支持するが、さらなる検証が必要」。今後、乳児の同情的な態度に国や文化の差がないかなども調べる。

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