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筋ジス治療へ一歩 原因酵素を解明 

(2013年11月22日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

名市大院チーム マウス実験で

AGO61の働きのイメージ

 筋肉や神経の細胞を体内で正しく並べる酵素の働きを、名古屋市立大大学院薬学研究科の加藤晃一教授と矢木宏和講師らのグループがマウスの実験で解明した。この酵素がないと、筋力が衰える遺伝病の先天性筋ジストロフィーになることから、治療法開発につながる可能性があるという。英科学誌ネイチャーグループの電子雑誌に21日(英国時間)掲載された。

 この酵素は「AGO61」という。ゲノム(遺伝子情報)解析による先行研究で、目や脳の重病を伴う筋ジストロフィーの一種「ウォーカー・ワールブルグ症候群(WWS)」に関わるとされてきた。

 今回の実験では、遺伝子操作でこの酵素をなくしたマウスを作り、生まれる直前の胎児の脳を観察した。脳の外側部分の大脳皮質などで神経細胞を効率的に移動させる神経線維の発達不全や、細胞が秩序を持って並ぶために必要な糖鎖とよばれる鎖のような構造ができない異常が起きることが分かった。

 加藤教授は「WWSは人間の場合、ほとんど1年以内に亡くなってしまう重篤な病気だ。その仕組みを理解し、糖鎖の欠損を補う構造を作るなど新たな治療法開発の一歩になれば」と話している。

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