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分娩ミスで障害 豊橋市民病院、1億5000万円で和解へ

(2013年11月26日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

子宮内で圧迫、仮死状態に

女児に障害が残った医療事故を謝罪する豊橋市民病院の岡村正造院長(中)ら=25日、愛知県豊橋市役所で

 愛知県の豊橋市民病院で2008年5月、出産時に医師が適切な処置をしなかったため、女児に脳性まひが残る医療事故が起きていた。女児の両親は損害賠償を求めて提訴し、名古屋地裁が和解案を提示。豊橋市は25日、1億5千万円を支払って和解する議案を市議会に提出すると発表した。

 病院によると、08年5月中旬の深夜、愛知県外に暮らす30代の女性が里帰り出産した。分娩(ぶんべん)を担当した20代の女性医師は、胎児の心拍数が遅くなっていることに気付いたが、「このまま出産は可能」と考え、帝王切開などはしなかった。

 別の出産に対応するため、45分、その場を離れた。この間、30分間は女性1人となり、残る15分は助産師が付き添った。女性医師が戻り、女児が生まれたが、心肺停止の仮死状態だった。

 出産前、女児の体が子宮内で圧迫されたため、仮死状態になったとみられる。脳性まひのため、5歳になった今も自力では歩けず、常に介護が必要という。

 女性医師は当時、医師免許を取得し四年目。産婦人科に配属されて2年目だった。病院は当直体制で、ほかに産婦人科医師はいなかった。

 女児の両親は11年12月、2億7千万円の損害賠償を求めて名古屋地裁に提訴。市は医療事故と認め、地裁の和解案に応じることを決めた。

 会見した岡村正造院長は「担当医は速やかに帝王切開などの判断をすべきだった。夜間緊急時の診療体制が万全でなく、母体と胎児の監視が不十分だった。申し訳ない」と謝罪した。

 女児の母親は弁護士を通じ、「今後は同じような事故が起こらないように医療体制を整えて、より安心して出産ができるよう努めてほしい」とコメントした。

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