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米国から適合臍帯血 白血病の比女性に移植へ

(2013年12月21日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

海外バンクからの移植、国内初 

 名古屋第一赤十字病院(名古屋市中村区)が、白血病のフィリピン人女性ターラ・エンリレさん(34)=愛知県一宮市=の治療のため、血液を造ることができる細胞を含む臍帯(さいたい)血を米国のバンクから入手した。25日に同病院で移植手術する。

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 日本の臍帯血バンクは国際的な提携をしていないため、バンク間のネットワークでなく、病院が米国の臍帯血バンクと直接交渉して実現した。

 海外のバンクから送られた臍帯血の移植は国内初とみられる。厚生労働省によると、2012年に米国の臍帯血が、日本に提供された例があるが、出所など詳細が分かっていない。

 エンリレさんは昨年1月に急性骨髄性白血病と診断された。治療には骨髄か臍帯血の移植が必要になる。

 混血のため、移植で適合する血液の免疫組織の型が非常に少なく、移植可能な型探しは難航。国内の骨髄バンクや臍帯血バンクにはなかった。骨髄バンクは米国など4カ国の骨髄バンクと提携しているが探せなかった。

 名古屋第一赤十字病院は、骨髄や臍帯血など造血幹細胞の移植推進拠点となっており、宮村耕一副院長(血液内科)が11月上旬、出張先の米国で、臍帯血バンクに登録されている臍帯血の中に適合型があるのを見つけた。臍帯血を保有するバンクと交渉し、提供を受けることができた。

 臍帯血は19日に米国から到着。前処置を施してから移植する。手術後3~4週間様子を見て、移植が成功したか判断する。

 宮村副院長は「リスクはあるが、適合する臍帯血が見つかり本当に良かった。海外のバンクの臍帯血が使えるようになれば治療を断念していた患者にも望みが出てくる」とバンクの国際的な連携の大切さを訴えている。

 臍帯血 赤ちゃんのへその緒や胎盤にある血液。血液を造る細胞を多く含み、白血病などの治療に使われる。母親の同意を得て、出産直後にへその緒から注射器で取り出して保管したものを活用するため、全身麻酔が必要な骨髄移植よりもドナー(提供者)の負担が軽い。移植後に患者の体を異物として攻撃する移植片対宿主病(GVHD)も少ないとされる。ただし取り出せる量が少なく、体重によって利用できる患者は限られる。

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