つなごう医療 中日メディカルサイト

門脈圧

(2014年1月28日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

肝硬変で高まる

 水田を思い浮かべてください。整然と並ぶ稲の間を水が流れ、稲の成長を支えています。肝臓に入った門脈は枝分かれし、整然と並んだ肝細胞列に血液を送ります。小腸などで吸収した大量の栄養分を荷降ろしし肝細胞へ。肝臓で合成された物質は血液から大静脈へ、そして全身へ送り出されます。よどみなく肝臓の中を流れながら、栄養分のやりとりをしています。

 この流れを乱す病気、肝硬変はウイルスや薬物などで肝細胞が壊れ、線維に置き換わる病気です。肝細胞の列が乱れ、血管が押しつぶされて血流が滞り、肝臓に入る前の門脈の血圧も高くなります。

 門脈圧が高まると、肝臓を通らずに圧を逃すバイパス経路が太くなります。食道静脈瘤(りゅう)です。肝臓で処理されない血液を心臓へ戻すため、脳にアンモニアなどの有害物質が到達し、意識障害を起こします。静脈瘤が破裂して血を吐く、血便(黒い便)が出るなどの症状も出ます。高まった圧力のため血管壁から水分が染み出し、腹水の原因ともなります。

 健診の肝機能の血液検査は、肝臓の細胞が壊れかけていないかを調べます。超音波検査は肝臓の形や門脈の位置、太さなどをチェック、肝臓病の早期発見に努めています。(あいち健康の森健康科学総合センター長・津下一代)

中日新聞広告局 病医院・薬局の求人