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書類送検の金沢大教授 治療の有効性、学会でアピール

(2014年5月23日) 【北陸中日新聞】【夕刊】【その他】 この記事を印刷する

「5年生存率、5%が90%に」

 金沢大病院(金沢市)で2010年に骨肉腫治療を受けた少女=当時(16)=が死亡したのは、抗がん剤の投与ミスの疑いがあるとして、業務上過失致死容疑で書類送検された同病院整形外科教授の男性医師(56)が23日、神戸市内で開かれた日本整形外科学会学術総会のパネルディスカッションで発表し、少女にも行った化学療法の有効性を強調した。

 この化学療法は、抗がん剤に強心利尿薬のカフェインを併用投与し、抗がん剤の効果を高める治療法で、厚生労働省の「先進医療」に承認されている。

 教授は、全国から集まった医師ら100人を前に、カフェイン併用の化学療法によって1980年ごろは5%ほどだった5年生存率が90%に向上したなどと、療法の効果を強調。「有効な化学療法で、いろいろな再建手術ができる」と述べ、腫瘍のできた骨を切断後に再建し、走ったり正座したりできるまで回復した患者を動画を交えて紹介した。

 少女の遺族が金沢中署に提出した告訴状などによると、この教授らは10年1月中旬の検査で少女の心機能が低下し、抗がん剤アドリアマイシンの副作用による心筋症の疑いがあったのに、化学療法を中止する注意義務を怠り、翌2月にも抗がん剤とカフェインの併用投与を継続。少女はアドリアマイシン心筋症による急性心不全となり、死亡したとされる。

 少女への化学療法について、教授は本紙の取材に「抗がん剤使用の一般的な基準にのっとった正当な治療」と容疑を全面的に否定している。

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