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降圧剤 データ改ざん前、脳卒中抑制効果なし

(2014年6月14日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

東京地検が解析

 製薬会社ノバルティスファーマの降圧剤ディオバンをめぐる京都府立医大の臨床研究データ改ざん事件で、東京地検特捜部が改ざん前のデータを解析したところ、論文でうたわれていた脳卒中の抑制効果を確認できなかったことが、関係者への取材で分かった。論文ではディオバンを投与した患者と他の降圧剤を投与した患者を比べ、脳卒中の発症率が低いとしていた。

 関係者によると、特捜部は2月の強制捜査以降、臨床研究に参加した各地の病院から、患者約3千人のカルテの多くを収集。脳卒中の発症数を集計し、専門機関に解析を依頼した。その結果、どちらの降圧剤でも差がなかったという。

 特捜部は、ノ社元社員の白橋伸雄容疑者(63)=薬事法違反(誇大広告)容疑で逮捕=による改ざんが、研究結果をゆがめたことの裏付けになるとみている。

 ディオバンは2000年に発売。千葉大や名古屋大など5大学が02年以降、効果を確認する研究を始め、東京慈恵医大は07年、京都府立医大は09年に「脳卒中や狭心症の抑制効果がある」との論文を発表。ノ社はこれを広告宣伝に用い、累計1兆2千億円を売り上げた。

 京都府立医大の臨床研究では、参加した病院から集まる症例が適正かを第三者委員会で判定したが、判定結果の資料がなくなっていることが分かった。第三者委では白橋容疑者が事務局の役割を果たし、資料作成などを担当していた。

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