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愛知の病院〈129〉 石川病院 武豊町

(2014年7月12日) 【中日新聞】【朝刊】【愛知】 この記事を印刷する

認知症 客観的に評価

画像認知症の症状の進行度を把握する検査。時間をかけて物品の名前を聞いたり、切手貼りなどの簡単な作業をしてもらう=武豊町の石川病院で

 「認知症が進んでから受診する患者さんが、都市部に比べて多いです」。他病院での診療も掛け持つ神経内科の男性医師は、病院を訪れる認知症患者の背景に気を配る。「老老介護」が増え、病気の問題を家族で抱え込みがちな地域性を感じながら、患者と接している。

 認知症の治療や対応が遅れると、患者本人のデメリットに加え、介護を支える家族も消耗する。これを防ぎ、アルツハイマー型認知症状を客観的に調べるため、病院では国際的に使われている評価方法を、2012年に取り入れた。

 面談による丁寧な聞き取りと簡単な作業をしてもらい、症状を数値化する。定期的に検査して症状の進行度をつかみ、治療や介護を適切に見直して対応できるように努めている。佐々木耕一事務長(40)は「後見人の問題などもあり、家族を含めて早めの対策が必要。病気を正しく理解してもらうのに役立っている」と話す。

 武豊町には公立病院がないため、軽症から重症、救急患者まで幅広く受け入れている。夜間、休日診療にも積極的だ。石川覚也(かくや)院長(79)らが外来で総合診療を担当し、病気に応じて循環器科や神経内科などの各専門医につなぐ。

 さらに高度医療が必要な場合は、専門医から名古屋大病院や半田市立半田病院などを紹介。切れ目のない診療体制で、患者の利便性を高めている。

 地元で暮らしたいと望む高齢患者のため、15年以上前から施設整備に取り組んできた。短期入院の患者を対象とした一般病床だけでなく、重症で長期療養が避けられない患者が利用する療養病床30床を1998年に設けた。認知症の高齢者を対象にしたグループホームも、町内3カ所に設けた。

 近年では在宅医療に力を注ぐ。訪問診療や看護のほか、在宅でリハビリも。こうした多様な患者のニーズに応えるには、多くの職員を確保しなければならず、経営面だけ見ればマイナスだ。

 しかし、石川院長は「長年病院に勤め、地域社会とつながりのある看護師や職員から、患者さんの思いや生活の様子などの情報が得られる。こうした人の資源を生かし、個人に合わせたより良い医療を実現していきたい」と語る。(林勝)

地域支える活動を

 石川覚也院長の話 地域の住民が病気になったときに困らないよう、医療体制づくりに努めてきた。近年は、さまざまな事情を抱えた高齢の患者さんが増えており、医療だけでは限界がある。職種を超えて連携し、家族の理解と協力を得ながら、地域を支える活動を続けていきたい。

 医療法人聖(ひじり)会石川病院 ▽創設1954年▽一般病床30床、療養病床30床▽内科、外科、消化器科、整形外科、リウマチ科、肛門科、内分泌科、神経内科、呼吸器科、循環器科、皮膚科、リハビリテーション▽常勤医3人、非常勤医30人▽武豊町ヒジリ田23▽電0569(72)2345▽JR武豊駅、名鉄上ゲ(あげ)駅、いずれも徒歩8分

画像石川病院

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