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愛知の病院〈130〉 済衆館病院 北名古屋市

(2014年8月16日) 【中日新聞】【朝刊】【愛知】 この記事を印刷する

住民の駆け込み場所

画像病状について話す理事長の今村康宏さん(右)と入院患者の浅野彰さん=北名古屋市鹿田西村前で

 夏の日の午後、病棟の一室に明るい日差しが差し込む。ベッドで休んでいた浅野彰さん(47)は、足音に気付いて起き上がった。

 「リハビリはどう」。理事長の今村康宏さん(44)が顔をのぞかせた。「まだ歩けないですね」と浅野さん。今村さんは「少しずつでいいからね」とほほ笑む。

 ヘルニアで入院中の浅野さん。すぐ近くに住み、10年以上前から体調を崩すたびに病院を訪れる。主治医でもある理事長だけでなく、各科の先生は顔見知りばかりになった。

 浅野さんは言う。「何かあったらすぐに対応してくれる。ここらの住民にとっての駆け込み場所だよ」。今村さんにとって、最高の褒め言葉だ。

 医療法人済衆館が運営する済衆館病院は、北名古屋市、清須市、豊山町でつくる尾張中部医療圏の中央に位置する。この2市1町には16万人ほどが暮らすが、県内で唯一公立病院がない地域。入院治療を行う2次救急病院はここしかない。1914(大正3)年の創立から100年。地域の医療を一手に引き受けてきた。

 「だから何にでも対応しないといけないんです」と今村さん。私立病院の中には特定の分野に特化するところもあるが、それをしなかった。増え続けた診療科は現在26。今村さんは「特徴がないのが特徴かもしれない」と笑う。

 大事にしているのは周囲の病院との連携。名古屋市や一宮市など、救急車で30分以内で行ける範囲に高度な3次医療を行う大病院がある。患者の病状に応じて、常に連絡を取り合っている。

 それでも各課に専門医を置くのは「3次レベルの病状でも専門的な判断をしたいから」。地域医療のとりでとしての自負がある。災害時に備え、毎年のトリアージ訓練も欠かさない。

 今後は、すべての病期に対応できる態勢づくりに取り組む。回復期を迎えて帰宅を目指す患者を支援する「地域包括ケア病棟」を導入する方針。在宅療養への移行が難しい患者のための「長期療養病棟」もつくる。

 これらを含めた病床数は、2015年末には今より92床多い360床になる予定だ。今は満床を理由に救急車の受け入れを断ることもあるが、増床によって現在の1.5倍となる年間3千台の受け入れを目指すという。(井上峻輔)

身近に高度医療を

 今村康宏理事長の話 創立から100年、地元の人たちに支えられてきた。今後も地元の医療のニーズに応えていきたい。制度の変化や技術の発達など医療は激動の時代だが、私たちの原点は「身近に高度な医療を」。困った時にサンダルのまま駆け込めて、どんな病気にも対応できる病院でありたい。

 済衆館病院 創設 1914年▽病床 268床▽内科、消化器内科、循環器内科、呼吸器内科、神経内科、腎臓内科、糖尿病・内分泌内科、リウマチ科、小児科、外科、消化器外科、呼吸器外科、肛門外科、乳腺外科、内分泌外科、小児外科、整形外科、脳神経外科、泌尿器科、眼科、皮膚科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科、救急科、歯科口腔(こうくう)外科▽常勤医 30人▽北名古屋市鹿田西村前111▽電0568(21)0811▽名鉄犬山線西春駅下車、徒歩7分

画像済衆館病院

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