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ALS診断迅速化 脊髄神経路を特定

(2014年8月28日) 【中日新聞】【夕刊】【その他】 この記事を印刷する

名工大や日赤開発

磁気刺激によるALS診断のイメージ

 診断や治療のため脊髄近くの神経に与えられた磁気刺激がどのように伝わるかを、名古屋工業大(名古屋市昭和区)や日赤医療センター(東京)などの研究チームが特定した。どこに刺激を与えれば、どの部分が活性化されるかが特定できたことで、全身の筋力が低下していく難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の早期診断などにつながる成果という。

 名工大のラークソ・イルッカ特任准教授と平田晃正准教授は、刺激を伝える電流が体内でどう流れるかをコンピューターでシミュレーションする技術を開発。脊髄近くの末梢(まっしょう)神経の磁気刺激により活性化する場所をシミュレーションした結果が、実際に人の体に磁気刺激を与えて計測した結果と一致した。

 磁気を流す向きなどによって活性化する場所が異なるなど、より細かな神経回路の関係が解明できた。目的外の場所に磁気刺激の副作用が生じる危険性を減らせるほか、神経難病の診断などに生かせる可能性があるという。

 たとえばALSでは、脳から脊髄までと、脊髄から手足まで信号が伝わる速度がそれぞれ通常より遅くなることが分かっていた。だが、糖尿病などでも脊髄から手足へ伝わる回路に障害が起きるため、脊髄近くの刺激すべき場所が特定できないと磁気の刺激による正確な診断は難しかった。

 共同研究者で日赤医療センター神経内科の松本英之医師は「今回の結果で、脳から脊髄まで伝わる速度をより正確に計算できる」と説明。「診断のために経過を見なければならないこともあったが、より早く診断できるようになる可能性がある」と話している。

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