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中2男子 熱中症で重体

(2014年9月17日) 【北陸中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

金沢・野球クラブ練習で罰走40分

 金沢市を拠点に活動する中学硬式野球クラブで8月下旬、2年の男子生徒(13)が練習中に重度の熱中症で倒れ、救急搬送されていたことがクラブ関係者への取材で分かった。生徒は意識障害やけいれん、臓器不全などを起こして現在も入院し、歩行のリハビリなどを続けている。

 生徒の親は、倒れたのは罰で命じられたランニング中だった上、監督らが注意義務を怠ったとして、業務上過失致傷容疑での捜査を求めて今月8日に県警に被害を申告した。

 クラブによると、生徒が倒れたのは8月23日に石川県志賀町野球場で行われた練習中。午前から練習していたが、午後のバント練習で成功率が低かったことを理由に監督からランニングを命じられた。1、2年生20人ほどで走り始め、数人が途中で脱落。この生徒は40分ほどが経過したころに倒れた。

 生徒は羽咋病院(同県羽咋市)に搬送されて応急処置を受けたが、けいれんが続くなどしたため、さらに金沢大病院(金沢市)に搬送された。他の生徒たちはそのままランニングを続けたという。

 金沢地方気象台によると、当日の志賀町の最高気温は28.5度だった。

 クラブ側「指導適切」

 クラブは今月、保護者らに説明会を開いて謝罪と再発防止策などを伝えた。代表の男性は「責任を感じている」とした上で、「練習中はこまめに水分を取らせていた。指導に問題はなかった」と話した。

命の危険…今も後遺症

 入院中の男子生徒の父親(51)が取材に応じ、「子どもの診断書を見るたびにつらい。倒れる前の子どもの体に戻してほしい」などと悔しさを語った。

 父親によると、熱中症で肝機能が著しく低下し、医師から当初は「命の危険性もあるので覚悟してほしい」と伝えられた。幸い、一命を取り留めて意識も戻ったが、しばらくは幻覚症状や意識障害が続き、家族もつらい時期だったという。

 生徒は一時帰宅できるまでに回復したが、階段の上り下りが難しかったりと後遺症に悩まされている。チームでは4番打者を任されていたが握力は半分以下に低下し、視力も落ちた。

 退院できても、定期的な脳の検査が必要となる上、けいれんを抑える薬を3、4カ月間は服用し続けなければいけないという。

 父親は「学校にも通えずにいる。指導者には子どもを預かる責任を感じてほしい」と話している。

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