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愛知の病院〈132〉 岩田病院 名古屋市

(2014年9月27日) 【中日新聞】【朝刊】【愛知】 この記事を印刷する

無痛分娩 患者集まる

画像赤ちゃんを抱く母親と話す助産師=名古屋市中村区則武で

 泣きだした赤ちゃんは、母親に抱かれるとすぐに泣きやんだ。「かわいい」。出産して3日目を迎えた女性(32)は、口元を緩めて新しい命を見つめた。ここで産むのは2度目。「ちょっと指を切った痛みも嫌で、何時間も耐えるのが恐怖だった」。1人目を身ごもったとき本で無痛分娩(ぶんべん)を知り、自宅がある一宮市から距離があったが、無痛分娩で知られるこの病院を訪ねた。

 陣痛が来てから麻酔で痛みを和らげる出産方法。まったく痛みがないわけではなく、「和痛」とも言われる。女性は「『おなかを痛めて産まないと』って言う人もいるけど、痛みは感じる。でも緩和されたから、ゆとりを持って指示を聞けた」と振り返る。

 岩田病院では、無痛分娩を選ぶ人がこの10年ほどで大幅に増えた。昨年は1年間に出産した668人(帝王切開を除く)の半数。妊娠中毒症の悪化が懸念されるなど特別な理由がない限り、基本的に無痛分娩を病院側が勧めることはないが、希望する来院者が多いという。

 岩田浩輔院長(51)は「高齢出産が増えたのと、核家族化が進み、近くに家族がいなくて出産に不安感を持っている」と背景を分析。陣痛が長時間に及び、途中で無痛に変更する人もいるといい、「痛みを和らげるだけでなく、強い不安を抱える妊婦さんの気持ちを強く支えるのが最大の利点」と説明する。

 麻酔を投与しながらの出産だけに、胎児や母体の厳密な管理のため経験豊富なスタッフが必要。痛みが和らぐため妊婦は息むタイミングが取りづらい。「おなかを触ったりモニターを見たりして、きめ細かなサポートをしないといけない」と助産師で認定看護管理者の佐藤弘子さん(62)。岩田院長は「手助けする助産師が戸惑ってはいけないので、何度もトレーニングを積む」と話す。

 休みなく夜間にも対応するため、体制の充実にも力を入れてきた。夜中も常に、助産師と看護師の3人体制。医師も1人の当直に加え、すぐに駆けつけられる自宅待機の医師を決め、常時2人体制をとっている。昨年から緊急帝王切開の訓練も始めた。

 管理栄養士も3人おり、すべて手作りの食事は、利用者から「レシピを教えて」と言われるほど好評だ。(中崎裕)

小児専門医も来院

 岩田浩輔院長の話 「無痛」という言葉から「すごく楽に産める」と誤解されやすいが、無痛分娩も出産自体は普通に進行するので、妊婦さんに前向きに取り組むよう指導している。最近は麻酔の手法もより良くなってきた。週2回、小児科専門医に来院してもらい、新生児の診察を依頼するなど安心して産める体制を整えている。

 岩田病院 ▽1960年5月、岩田産婦人科として創設▽一般病床46床▽常勤医3人、非常勤医9人、助産師16人、看護師5人、准看護師10人▽産科、婦人科、小児科▽名古屋市中村区則武1の1の11。名古屋駅西口から徒歩5分▽電052(451)1552

画像岩田病院

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